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あしあと

    市民みらいミーティング開催結果(公共交通を守りつなぐために一人ひとりができること)

    • [2020年4月6日]
    • ID:14623

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    公共交通を守りつなぐために一人ひとりができること

    日時

    令和2年2月22日(土)午前10時30分~午後0時30分

    場所

    市役所305会議室

    参加者

    市内に在住・通勤・通学する18歳以上の人(10名)

    内容

    誰もが安心して暮らし続けるためには、電車・バス・タクシーなどあらゆる交通手段を総動員しながら、住民・行政・事業者・関係団体が連携し、公共交通の充実に取り組むことが大切です。

    今回は、市の公共交通を取り巻く環境について、専門家の講演を通じて学んだあと、公募で集まった皆さんとの意見交換を行い、持続可能な公共交通のために「私たち一人ひとりができること」を一緒に考えました。

    市長あいさつ

    皆さん、おはようございます。今日はご参加いただきありがとうございます。今回で第9回ですので、月1回ペースで開催しています。市民の皆さん方と直接対話をさせていただき、生の声を聞かせていただくことで施策展開につなげていければと考えており、その中で今回は「公共交通」をテーマとさせていただきました。

    京田辺市は、「便利でええやん!」というキャッチフレーズを掲げており、皆さんもいろいろなところで目や耳にされていると思います。電車に乗れば、京都・大阪・奈良のいずれにも30~40分でアクセスすることが可能で、また北部・中部・南部それぞれの拠点の駅にバス交通があり、駅前にはタクシーもあります。

    実は京田辺市内には、路線バス網が通っていない地域はありません。タクシーも含め、公共交通のあり方という点で非常に恵まれた地域であると言えます。それはひとえに、昨年6月末に人口7万人を突破したように、人口が増えている恩恵をそういうところで得られているわけです。

    では、これから先も同じように、こうした恩恵を享受できるのでしょうか。例えばバスの話をすると、今までは補助金路線というように、お金を出すので何とかバス路線を運行してください、ということが可能でしたが、最近は運転手不足で、お金を出してもバス路線を作ってもらえないし、維持もしてもらえない。それどころか、運転手さんがいないから儲かっていても撤退しますという話も出てきます。

    そういったときに、バスやタクシー・鉄道を含めて公共交通を皆で守っていくためにはどうすればいいか。行政としても努力をしますが、事業者・市民の皆さん方と一緒に、これから先、京田辺が人口減少局面になっても「便利でええやん!」というキャッチフレーズを使い続けられるまちを維持するためにも、私たち一人一人が公共交通を守り育てていかなければならない。そこで今回のみらいミーティングを開催させてもらいました。

    今日は、立命館大学衣笠研究機構アート・リサーチセンターの客員協力研究員で、公共交通アドバイザーの井上先生にお越しいただいています。まずは京田辺の公共交通の現状についてお話を伺い、共通認識をしていただいた上で、皆さんとディスカッションを行い、良いあり方を模索できればと思っていますので、何卒よろしくお願いします。

    井上先生は、八幡市・宇治市・宇治田原町・久御山町など、多くの市町の地域公共交通会議の座長などを務められており、この山城地域の公共交通に大変詳しい方でもありますので、先生を交えて、皆さん方と、京田辺の今後の公共交通のあり方について真剣に話ができればと思っていますので、少しお時間を頂戴しますが、何卒よろしくお願いします。


    講演「京田辺市の公共交通を取り巻く現状について-地域全体を俯瞰して-」

     講師=立命館大学衣笠総合研究機構 客員協力研究員  井上 学さん


    おはようございます。私は、公共交通が個人的に大好きで、どこに行くにも電車・バスです。今は山城地域で仕事をさせてもらっているので、だいたい平均で週1くらいは新田辺駅で乗り降りしています。なぜこんなに公共交通を使うかというと、うちには車がないのです。自転車もありません。唯一あるのはベビーカー1台ですが、子どもも5歳になり必要なくなりました。なので、うちは徒歩かバスか電車です。そういう暮らしをしているとどういうことがあるかということを、今日お伝えできればと思っています。また、これからこのまちをもっと良くしていくにはどうしたらいいのかを、皆で考えられたらと思います。

    私はもともと地理学といって、テレビで『ブラタモリ』という番組がありますが、ああいうことを専門としています。例えば、天井川はなぜできたのか、天井川がある中でどのような農業が発達するのか、どのような場所にまちができるのかといったことを調べるのが、自分の専門です。さらにその中で、公共交通をもっと良くするにはどうしたらよいのだろうということを、今日は考えていきたいと思います。


    京田辺市の特徴

    京田辺市の特徴ですが、端的にいうと若い世代が多いです。日本では超高齢化と言われていますが、京田辺市では人口7万人を突破しています。こういうケースは珍しいです。若い世代が多いと何が良いかというと、人口が多様な世代で構成され、非常にバランスが良くなります。バランスが良いと何が良いかというと、いろいろなことにチャレンジできるということです。中山間地域で高齢者だけになってくると、なかなか何か新しいことをしようということにはならない。ところがいろいろな世代がいると、こんなことをやってみようということができるのです。まちを良くするためにいろいろなことをするチャンスが、まだ残っているのです。


    講演

    一方で、このまちはいろいろな顔を持っています。イメージが1つではないのです。これも珍しいことです。京都市というと、お寺や神社が浮かんでくると思います。では、京田辺市といったら、どういうイメージを浮かべますか。1つは昔からある伝統的な地域や商店街があります。一方で山手の方には新興住宅の地域があり、道路沿いに郊外型の店舗を浮かべる人もいらっしゃいます。さらに、地域の特徴として、通勤・通学先や買い物先が多様ということもあります。京田辺の中だけで完結していないのです。多様な地域に顔が向いているわけですが、言い換えれば、京田辺市民でありながら、私は楠葉市民と思っている人もいるわけです。京田辺市に住みながら、奈良の北の方の人間だと言うこともあります。例えば「出身はどこですか」と関東で聞かれて、京田辺市と言ってよく伝わらなかった場合、何と言いますか。京都より少し南と言う方もいらっしゃれば、奈良の少し北と言う方、大阪の少し東と言う方もいます。これは調べたのです。「京都出身です」と答えて突っ込まれない南限が宇治です。京田辺は3カ所出てきます。つまりいろいろな顔を持った地域なのです。逆に言えばいろいろなところから人を呼べるのです。そういう地域の中で、公共交通の特徴は何か。いろいろな地域に顔が向いているから、大変便利なのです。バスも市内はおろか京都まで直通、楠葉にも行ける。若干本数は少ないけれど、バスはしっかり来ています。非常に多様で、それが故に便利なまちなのです。まずは、京田辺が便利だということが共有してもらえると思います。では、多くの方々が公共交通を利用されているでしょうか。

    私は八幡、楠葉のほうから京阪バスに乗って京田辺に来ています。バスは結構利用されています。一方でバスに乗っていると車が多いというイメージもあります。松井山手周辺は渋滞も出ています。子どもを連れてまちに出ると、みんな車を持っているなあと感じます。公共交通が便利でそこそこ使われているけれど、まだまだ車を使っている方が多いというのが現状です。これは30年くらい前の大阪市周辺や京都市周辺の地域と同じです。今から30年前を思い出してください。まだJRの駅が木造で、改築するもっと前はまだ電車も来ていなくて、駅名も田辺でしたし、三山木駅も名前が違っていました。あの頃、大阪の周辺のまちは同じように人口が増えていて、バスもたくさんの人が乗っていて、一方で車にも乗っていたのです。今どうなっているでしょうか。高齢化して、公共交通を便利にしろと皆が叫んで、大変なことになっています。誰も乗らないバスを走らせるために汗をかくには、どうしたらよいのか、という状態です。今京田辺で何がチャンスかというと、30年くらいずれているということは、あれはやってはいけないのだと先達の状況を見て勉強できるということです。これから10年20年先に同じような失敗を繰り返さなくてよいというのが、このまちの大変良い特徴なのです。


    生活に欠かせない「移動」

    具体的にどうするかを考えます。ここで、ドラえもんの秘密道具で最もよく出てくるもの3つを調べました。タケコプター・どこでもドア・タイムマシーンです。これはなぜなのでしょうか。この3つに共通するものは、移動なのです。タケコプターは近距離移動、どこでもドアは遠距離移動、タイムマシーンは時間も合わせて空間を移動できるものです。なぜこれらが最も出てくるかというと、我々の生活で一番欠かせないからです。生活している以上必ず移動が発生するのです。そして我々は移動がどうしてもストレスなのです。なので、そのストレスを解消するために、ドラえもんの秘密道具でこの3つが必ず出てくるのです。その中で無意識で我々がしていることは何かというと、いかに楽に移動するかということです。楽とは何かというと、コストは最小限、効果は最大限、つまりできるだけ無料で、できるだけ体力を使わずに、できるだけ短時間で移動できる、これが前提なのです。ただ怖いのは、これを実現するのが車しかないと錯覚させられていること。車を使っている方々は、そういう頭にさせられているのです。実際に車のCMはたくさん見ますが、バスのCMは見ませんよね。そこからどうやって抜け出せるかが、10年後20年後の素敵な暮らしに繋がっていくのです。逆に言えば、それができないから今周辺の市町では大変なことになっているのです。


    公共交通のイメージと業界の現状

    公共交通のイメージは大概、本数が少ないから乗らない、運賃が高いから乗らない、いつ来るかわからないから乗らないといったこと。しかしこういうことは、乗ったことのない人が言っています。乗らない理由なのです。それで乗らないバスはなくなります。では、この30年間日本全体で何をしてきたかというと、これらの意見を取り入れて、自治体が頑張ろうということで汗をかいて、いろいろなバスに補助金を入れてバスを走らせてきた結果、誰も乗らないということがわかったのです。自治体だけが汗をかいても、うまくいかないということがわかったのです。

    バス業界の現状

    では、どうすればよいか。地域の方が乗るしかないのです。車は便利ですが、車に乗っていたらバスがなくなります。どちらがよいか。究極の皆の理想は、無料のタクシーです。しかしこれは実現が困難です。唯一実現できるとすれば、今の高齢者の医療費負担を10割にして年金を返してくれた場合になります。そんなことは無理ですね。人口が減って税収が減り、いろいろな負担が増える中で、どうしたらよいのか一致点を探すのがこれからの世界です。しかも公共交通が大変なことになっています。まず端的に言ってドライバーさんが少ないです。なぜかというと、給料が安くて残業が多いから。そういう業界なのです。ではなぜそうなってしまったのか。その分、お金をたくさんあげるからバスを走らせてと言っても、結構ですと断られます。ドライバーがいないから、儲かるチャンスがあっても断るようなケースが増えています。スライドの図を見てもらったらわかるのですが、実線が収入で、破線が人件費です。2000年はバスの業界は全産業の平均よりも給料がよかったのです。その後収入が下がってきて、人件費も下がりましたが、それがこの20年間で収入は戻ってきました。しかし給料が戻っていません。なぜ戻せないのか。それは20年前に比べて、設備に対する投資がたくさんかかるからです。バスの中にある、次の停車場を示すモニターは高額なものです。ICカードの機器をすべてのバスに導入するには、大変な投資が必要になります。つまり、もっと収入が増えない限り、給料は戻せないのです。


    バスは「地域愛」で動いている

    そういう中でバスは廃止になっていき、タクシーも減車していきます。ただ、一気にはなくなりません。一般的に、コンビニやショッピングセンターといったリテールの世界は、止めるときはすぐに止めます。一方でバスやタクシーは、一気には撤退しないのです。本数を減らすなどして、何とか続けます。これは経営的にはおかしなことです。儲かるところだけ残して、一気に止めたらいいのです。そうしたら会社も何とかなるし、給料も増やせる。なぜそれをしないのか。今まで地域にお世話になっていて、今さらお客さんが減ったからドライに打ち止めるなどということは、容易にはできないと言います。歴史が違うのです。コンビニやショッピングセンターができるより遥か昔から運営しているのです。地域が好きなのです。地域愛で今、動いているとうことはわかってください。お金で動いていないのです。だから、このままだとどこかの時点で倒れてしまいます。これらの愛にこれらから地域の皆さんがどう応えていくかという時代になってきたのです。公共交通の良い点は、観光客にも来ていただける、荷物も一緒に乗せられるということもあります。結構ビジネスチャンスはあるのです。

    最近は「MaaS(マース)」という言葉が流行っています。これからはMaaSを取り入れたらどうかという提案も出てくると思います。しかし、騙されないでください。MaaSを入れたらまちがよくなる、ということはありません。形から入るのはいいことだと思いますが、MaaSというのは、それを活用して地域を良くしないといけないのです。ということは、地域の方々の取り組みとリンクしないといけない。だから、そういう話が来たときに、とにかく騙されるな、ということだけ覚えておいてくれたらいいです。まずは皆で考えていく会議をしなければいけません。

    では、今までの会議とこれからの会議は何が違うか。今までは、バスがなくなるからどうしようという会議だったのです。夏休み最終日の8月31日に宿題どうしようという話をしても、9月1日から学校が始まるのには間に合わないのと同じで、バスが廃止されるときに会議をしても間に合わないのです。そうなる前にどうするのかを考える政策が、交通にも求められるようになったのです。何も問題なさそうに見えるこの公共交通に対して、何も問題なさそうな状況をずっと続けていくにはどうしたらよいかを考える会議にしていくのです。今あるものを維持していくために、地域に何ができるかを考える会議に変わってきたということです。端的に言うと、「お願いモード」から「私ができること」への会議に変わっていたのです。昔の会議は、「廃止しないで、お願い。補助金出して」という会議でした。これからの会議は「今のバスを何年先もきちんと維持していくために私は何ができるかを考える会議」に変わってきました。これからは陳情・要望をしてもバスは走りません。でも「私たち、これだけ頑張るからお願い」というと、動くようになります。ただ、地域によっては人口が少ないところがあります。そういうところは全員が乗っても黒字にならない。でも、誰も乗らないバスよりは、誰か乗っていて赤字の方が残ります。公共交通も、どれだけ地域が頑張っているかを見せる会議になってきました。ただ、公共交通には特徴があり、乗りたくて乗っているわけではなく、どこかに行くために乗っています。ということは、まちの魅力との関係になってきます。京田辺というまちに魅力ができればできるほど、移動が発生するので、そのときに公共交通を使いましょうという話になる。しかも、これからの行政の仕事は、バス会社と地域を結ぶのが仕事で、それ以上はできません。地域がここにバス停を作るからバスをお願いします、という話をバス会社に伝えることが仕事になってきます。このように時代が変わってきていることをわかってもらえればと思います。

    京田辺でもったいないと思うのが、近鉄とJRの間をあれだけたくさんの人が乗り換えしていながら、みんな走っていること。そこにおしゃれなカフェなどがあれば、足止めできると思うのです。夜は足止めされそうなポイントがたくさんあるので、それはそれで魅力ですが、昼間も若い人やお年寄りなど、いろいろな人たちがちょっと一休みして立ち寄れるようなところがあれば、京田辺の魅力は増えると思うのです。流動商圏というのですが、チャンスがたくさんあるのです。こういうものを作っていくと、公共交通の待ち時間も全然苦にならない。だから公共交通とまちづくりは一体であり、まちをどうよくしていくかということも考えてほしいのです。


    クルマは「便利」?

    では、そうするためにはどうするか。やはり、車の利用をどう控えるかです。車をやめてくださいとは言いません。ないと困ることもあるので。車が便利と思われる理由は何か。「安い・楽・速い」と皆思っています。車は「安い」と思われていますが、実は1日1,150円~2,000円かかっています。乗らなくても1,000円かかるのです。京阪バスは1日乗車券が600円です。また「楽」ということは、不健康ということです。それから「速い」といいますが、山手幹線を越えて行くときに、予定どおり動けているでしょうか。

    車は、持っているだけで1日1,000円くらい、普通に乗っていると2,000円かかります。家庭に3台あったら、×3、それを30日×12カ月。さて、おいくらでしょう?これなら電車・バスの方が安いと思って、うちでは車を持っていません。最大の問題は健康です。往復15kmの移動で公共交通と車を比較すると、公共交通の方が倍のカロリーを消費する、つまり体力を倍使います。そこで、これだけは覚えておいてほしいのですが、倍のカロリーを消費するということは、車に乗れなくなったからバスを残してと言っても無理だということ。車に乗れなくなったときに、車の倍の体力が必要な乗り物に乗れるかというと、乗れないのです。いつか乗るかもしれないと言っている人は、最終的には絶対に乗りません。それが、この話に繋がります。京都府北部の自治体からあった話なのですが、免許返納を取り入れたら、たくさんの返納があった。その後調査をしたら、結構の方が亡くなっているということ。これは免許返納をしたら亡くなるというわけではありません。本当に体がしんどくなって免許返納をし、その後お迎えが来たということで、これは普通のことです。また、免許返納をしたら、子どもや奥さんに運転してもらえばいいという考えもありますが、実際は身内といえども、車の運転をお願いすることは、段々しんどくなってくるのです。それでバスで出かけようとしても、乗り方を知らなかったりします。つまり、免許返納をする前に公共交通を使う練習をしておかないと、外出が減ります。外出が減るとお迎えが早くなります。それがいいとは思えません。車とは意外と寿命を縮めてしまう乗り物なのです。


    バス待ち環境を整える

    実際に公共交通を使っている人たちは、意外とうまく使っています。兵庫県のある自治体の話ですが、この地域のバスは週2日、朝・昼・晩の1日3本のみです。10人乗りのワゴン車のバスなのですが、高齢の女性を中心に結構使われています。私も何度か調査に行きました。そこで乗っている方に聞き取り調査をしました。バスは1日3本で週2日しか走っていないが、どうですかと聞いたところ、全然困っていないという返事でした。買い物は毎日行かないので、週2日で十分とのこと。朝の便で出かけ、買い物してそのまま帰るときは、昼の便で帰る。病院も予約している場合は夕方の便で帰る。待ち時間はどうしているかを聞いたところ、バス停で待っていると、皆と顔見知りになるから、皆で近くの喫茶店にお茶を飲みに行くとのことでした。夕方の便に乗るために2~3時間待たなければならないときはどうするのか聞いたところ、皆でカラオケボックスに行ってストレス解消している、という話でした。

    バスは本数が少ないとよく言われますが、これはバスを待つ間がストレスということ。だから、バスを待つ間にどうやって時間を潰せるかを考えればよいのです。例えば、ここの駅前だったら、高校生にのみ無料Wi-Fiを提供してあげたら、高校生は夢中で使うと思います。その間にバスが来ます。他の方だったら、カフェなどにバスがいつ来るかの表示さえあれば、そこでお茶を飲んで待つことができ、女性だったら楽しくおしゃべりしながら待てると思います。なので、バスの本数を増やすよりは、バスを待つ場所をよくしていく方が幸せになるということがわかったのです。

    こういうことをするときに、私のまちだったらこういうバス待ち環境がいいというのを、皆さんからご提案いただきたいのです。これからの公共交通はまちづくりと関連するとは、こういうことなのです。


    公共交通の維持が未来につながる

    公共交通で移動するまちになると、さらに人口が増えます。なぜか。今、中山間地域の学校の先生たちが一番困っているのが、小・中学校の先生で教員免許を持っているが自動車の免許を持っていない人が増えているということ。つまり、車を運転できない若者が増えています。そういう人たちが、公共交通のないまちに住むわけがないのです。言い換えれば、このまちをまだまだ元気にして、若い人たちを呼ぼうと思ったら、公共交通を今のとおり維持していけば、未来に繋がります。私はよく、一度でいいので騙されたと思ってバスに乗ってくださいと言います。以前やったのが、赤ちゃんを抱っこ紐で抱っこしているような子育て世代10人くらいでバスに乗ってみるということです。その結果どうなったか。赤ちゃんは皆寝るのです。しかも乗っていたおばあちゃんたちに、かわいい赤ちゃんが喜ばれ、バスの中が幸せな雰囲気になります。それで、乗ってみたらに意外に便利と言われます。

    このまちはこういうことにチャレンジできる最大のまちなのです。いろいろな世代がいますので、いろいろな方々と1回乗ってみたら便利という形で進めて、地域で取り組んでいければと思います。

     とりあえず、車は控えた方が長生きできる、健康でいられる、これだけでも持って帰っていただければと思います。


    フリートーク

    フリートークの様子

    日ごろ生活する中で感じている公共交通に関する考えについて、市長と参加者、井上先生(以下「講師」)で意見交換を行いました。

    参加者

    私はタクシー会社に勤務しています。私は先生と同じで電車・バスが大好きです。私は週の半分はこちらの京田辺に参っていますが、あとは京都市内の本社の方で、地下鉄やバス、また通勤では近鉄も利用しています。タクシー会社ではありますが、通勤のために、たまに新田辺の駅で降りてバスで草内口まで行くということもしています。今日は交通事業者として寄せていただきました。

    参加者

    前身は計画系のコンサルタントをしており、専ら交通を専門にして参りました。今日の先生のお話はよくわかるお話で、バス会社さんが頑張ってくださっているので、それを市民側、利用者サイドがいろいろ手助けしなければいけないという公共交通の基本的な考え方は、そのとおりだと思います。最近は、ITでバスを便利にしましょうという動きになっています。ITの技術を使えば、登録さえしておけば、自宅にいながらあと5分でバスが来ますという情報を簡単に受け取れます。それからバス停で到着予定時刻を表示するシステムは、だいぶ普及してきました。こうしてバスの利便性はとても上がってきています。

    しかし私が思うには、バスを含めた公共交通の優先策は、ほとんど効果を上げることができなかった。結局のところ今の日本ではマイカー優先ですし、私自身マイカー派になっています。京田辺市ではマイカーの利用が不便になるようなことはほとんどありません。どこの駐車場もたいてい入れるし、無料で利用できます。マイカーの利便性のほうがはるかに上回っているのです。やはり公共交通を利用するような傾斜を作らないといけない。どういう傾斜かというと、駐車場の料金を取るということがあります。松井山手駅の周辺の駐車場は1時間は無料です。これでは、なかなか状況は変えられない。精神論ではバスの利用は限られます。傾斜をつけるというのが、世界の主流だと思います。

    参加者

    市民活動グループで事務局をしています。それ以外に環境関係のボランティアもしています。ですから環境関係からできるだけバスに乗ってくださいということを働きかけています。最近バスに乗ったのは、2週間くらい前です。私は大住ケ丘に住んでいますので、バスで直通で京都駅まで行けます。通常はここに来るのも、同志社に行くのも、新田辺や松井山手に行くのにも、自転車で行っています。

    参加者

    現在6歳と2歳の子育て中です。車の免許は18歳のときに取りましたが、今はペーパードライバーです。なぜ乗らないかというと、一番の理由は怖いことです。それから駅が近いので、電車・バスに頼ってきて今までが経ちました。今、子どもの習い事として多目的グラウンドでサッカーをしており、週に1度、そこにバスで通っています。自転車でも来れるのですが、子どもが2人いるのでバスを使っています。

    参加者

    私は6歳、4歳、2歳の子どもがいます。運転免許は持っていますが、夫が仕事で車を使っているので、普段家に車はない状態です。電車やバスなら、ベビーカーがそのまま載せられるのでありがたいです。上の2人の子どもたちは、バスの一番後ろの席が気に入っていて、週に2回はバスに乗っています。あと、水曜日以外の平日は、電車に乗って子どものプールに通っています。電車やバスの時間が決まっているので、それをタイムスケジュールにして決まった時間に動いており、便利だと思っています。

    参加者

    京田辺の中で一番山手に住んでいます。奈良県との県境で、バスは1日2便で、非常に厳しい環境です。それも三山木駅に11時前くらいに着くので、病院にも行けない状況です。最近バスに乗ったのは、1月に京都市内で昼のパーティーがあり飲酒するからということで、待ち時間が1時間くらいあったのですがバスで行きました。帰りはタクシーで帰ろうと思い、駅まで行ったのですがタクシーはありませんでした。三山木駅には大概タクシーはないのです。呼んでも、駅まで行くとややこしいからと、どこどこまで行ってそこで待っていてくださいと言われます。その日は、約40分待ってバスに乗って帰りました。バスの利用者は、行きは1人、帰りは2人という状況でした。ですから、今日の先生のお話は本当に身につまされます。市からも働きかけをしてもらっていますが、利用はなかなか増えません。

    2年前に免許を返納した知り合いがいるのですが、病院に行くなどができないということです。タクシーを利用していたら1万円ほどかかってしまう。タクシーは往復で5,000円かかってしまう。それでその方は2月に免許を返納したのですが、もう生活できないから出て行きますということで、8月には引っ越してしまったのです。こういうことを何とかなくしたいというのが、私の思いです。

    参加者

    私も環境保全の分野に取り組んでいますが、私は車社会にいます。90歳になる夫が、足が悪く車でないと移動ができないのです。免許を返納しないといけないのですが、移動手段がないのです。私も免許を持っていますが、私は返納しようと思っています。私自身が出歩くことはほとんどなくて、いつも主人の助手として車で出かけ、そのついでに自分のことを済ませます。バスは私が買い物に行って荷物があるときだけ乗ります。普段は駅まで歩きます。25分かかりますが、車に乗っていると運動ができないので、一人で出かけるときは必ず歩いて行くことにしています。できることなら、夫にも免許を返納してもらい、公共の交通機関を利用できるようにしてあげたいと思っており、低床バスだったら乗れるかもしれないと考えています。

    参加者

    今、車を手放すためのシミュレーションをしています。私は興戸駅の近くに住んでいて、歩いたらだいたい何とかなると思って行動していたのですが、病気になってしまい、歩くのが大変な期間があるようになってしまいました。そうなると手も足も出ません。バスには3カ月前に乗りました。時間より10分前に行ったのだけど、待ってもバスが来ないので、もう来ないのかと思って歩き出したところ、後ろからバスが来ました。手を振ったら停まってくれたので何とか乗れましたが、やはりバスは不便なのです。バスを使わなければいけないとは思うけれど、自分の生活の中に入れるのは大変かなと思います。健康なときにシミュレーションし始め、駅まで歩けば近鉄とJRですべて事が足りたので、これなら大丈夫と思っていたところで病気になり、病気になったら、このシミュレーションでは無理だとわかったので、今回参加させてもらいました。

    参加者

    同志社山手に住んでいます。4年生、2年生、3歳の子の母親です。バスはほとんど使っていません。車を持っていると1日1,000円くらいかかるという話でしたが、駅の駐車場が400円くらいでバスの往復よりも安いので、駅に行くには車を使います。バスには1年くらい乗っていないと思います。

    参加者

    大住ケ丘に住んでいます。大住ケ丘は比較的バスが便利な場所です。本数が減ったとはいえ便利なので、最後にいつ乗ったかわからないくらい乗っています。だいたい月1回くらいは乗っています。200円で新田辺まで行けるので、非常に便利です。

    司会

    ありがとうございました。子育てをされている方、ご高齢の方など、さまざまな立場の方に集まっていただきました。立場が異なると、バスに対する関わり方も違うということを改めて感じました。

    それでは改めまして、先生のご講演を聞いた感想でもいいですし、日頃感じておられる疑問などもぶつけていただければと思います。

    参加者

    お話にもありましたが、バスは非常に運転手さんが減ってきているということがありますが、タクシーにおいてもその事実は否めません。京都府のタクシー協会の調査によりますと、京都市を北限とする南部も含めた地域における法人のタクシーの乗務員さんの数は、10年前には1万1,000人強おりましたが、今は8,000人になっており、3,000人も減っています。ということは、年間で300人ずつタクシーの運転手さんが減っているのです。その中で各タクシー会社とも、できるだけタクシーをフル稼働させるように勤務を組み込んでいるのですが、働き方改革ということもあり、なかなかそれもうまくいっていません。一方で乗務員さんの賃金をきちんと保障していかなければならないこともあり、いろいろなジレンマに苛まれています。バスは減便をしているところもありますが、タクシーは減車すると会社の資産を減らすことになるので、できるだけ減車をしない形で動かしていく努力をしているところです。

    先ほどのお話で、駅にもタクシーがないというご指摘がありました。タクシーを利用いただくお客様は、公共交通機関の電車やバスがなくなった後や始発前、または急いでいるとき、病院に行かれるときなどにご利用いただいていると思います。そうした一方で、労働時間の制約等により、稼働している車が減ってきている現状の中で動いているところです。

    私は先生と同様に、いろいろな地域の状況をうかがっているのですが、本当にこの京田辺は恵まれた場所だと思います。JR、近鉄が走っており、また駅からバスがいろいろな地域まで行っています。地域によっては全くバスがなくて、住民の方が登録されて、登録された方の自家用車にお金を払って乗り合わせて行くという動きが出てきているところが、最近では多分にあります。タクシー会社としては、そうした動きはできれば阻止したいのですが、やはりそうしていただくことで、シームレスな公共交通の繋がりといったものが生まれていくのではないかと思っています。

    司会

    先生のお話の中では、タクシーに関する包括したお話はなかったと思うのですが、今のお話を受けて、公共交通としてのバスとタクシーの連携など、さまざまな形が考えられると思うのですが、その点はどうでしょうか。

    講師

    使い方の問題だと思います。メニューとしていろいろ頭の中に入れておくと、使い分けができるのです。行きはバスで、帰りはバスがないのでタクシーで帰るというように、行きと帰りを同じ乗り物にする必要はないのです。鉄道、バス、タクシー、家族の送迎といった手段があるのであれば、それらをうまく組み合わせて生活した方が、メニューが増えます。メニューが増えた方が世界が広がり、楽しくなります。自分の移動のメニューを増やすという考えをするのがいいのではないかと思います。

    参加者

    私はマイカーで移動していますが、病院へ定期的に通うときはバスを使います。なぜかというと、病院の駐車場はなかなか入れず、待ち時間がどれくらいになるのかわからないのです。それで一度予約した時間に遅れたことがあって、それ以来、病院に行くときだけはバスで往復しています。

    市民の公共交通の利用を促進するには、市民の公共交通に対する理解を高めることももちろん大事ですが、それと同時に市民側は個人における便利さで何を利用するのか決めますので、そこの部分を動かす工夫をできるだけたくさん行っていかなければいけないのではないでしょうか。

    例えば、商業施設の玄関の一番近いところにバスを停められないか。それから商業施設に行くバスの料金をもっと安くできないか。新田辺にマイカーで行くときとバスで行くときの所要時間の差をできるだけ少なくできないか。私は家から新田辺まで車で10分以内で行けます。バスで行くと15~20分くらいかかると思います。待ち時間も含めると30分くらい計算する必要があります。それをどういう工夫で少なくすることができるか。

    市民が少しでもバスを利用するような工夫をどうやっていくかということです。今問題視されている運転手不足について、大津市が自動運転バスを始めるという記事を新聞で見ました。そういうことも行政としては考えなくてはいけないと思います。市ができる工夫をどうやって積み上げ、見つけていくか。

    もう一つ、敵は案外行政のほうにある場合もあります。京都の高島屋の駐車場を有料にしようと、大学の先生を交えた会合がありました。大学側は、高島屋の最上階にタダで車を停められるというのは、買い物客を優遇しすぎではないか。四条河原町は車で来るような場所ではない。駐車場を有料にせよ、という言い分でした。デパート側は、たくさん買い物をしてくれるお客さんを逃すことになるから、それは到底できない、と言います。そういう中で、京都市の担当者が有料化は無理だというスタンスだったのです。最終的には有料化は実現したのですが、実はそのときに一番抵抗になったのは、行政サイドのスタンスでした。だから行政の意識改革も必要だということです。

    市長

    移動手段を選ぶ際に一番最初に考えるのが、いかに楽に移動するかということです。そこで車が一番楽だと考える方が多いのですが、そうではなくて、時と場合によっては一番楽なのは公共交通の可能性もあります。その選択肢の幅を市民の皆さんに知ってもらうためのことに取り組んでおかないといけないと思っています。

    私は最近はバスなどに乗る機会は少ないのですが、小さいときからバスや電車によく乗っていました。今日も小さいお子さんが来てくれていますが、こういうお子さんたちにバスや電車に乗る習慣があれば、大きくなっても乗るだろうと思うのです。だからまちづくりの一環として市民の皆さん方の意識の中で、そういう世代を超えた流れをどう作っていけるか、というのが、次の行政の役割になってくると、最近先生方と話をする中で考えるようになったのです。

    そのために駐車料金を取るなど、行政としての発想もだいぶ転換していかなければならないというのは事実です。ただ、いきなり「お金を取ります」と言うと、びっくりするくらいの反応が返ってくるので、一足飛びに進めるのは難しいと感じています。

    司会

    大変難しい問題で、今の世代だけでなく、次の世代に引き継いでいくということも非常に重要な観点だと思います。

    参加者

    私は自転車で移動しています。定年になってから、自転車は駐車場の心配もなく楽だということに気づいて利用するようになりました。ただ、京田辺市は坂が多く、最近はしんどくなってきたので、妻のアシスト自転車を借りたりしています。今のところ不便はないですが、将来はやはり不安があります。京田辺は近鉄やJRがあり便利と言われていますが、駅まで行くためのバスやタクシーなどが必要になると思われます。環境関係のボランティアをしていますので、車の利用を減らす活動に取り組んでいますが、どうしても車を使うことが習慣になっているので、実際のところはなかなか難しい。せめて2台持っていたら1台に減らすことによって、その分バスに乗ってもらうということをお話ししています。

    交通政策というのは、環境面からもアプローチする必要があると思います。運転手さんが少なくなってきている中で、せめて現状のバスを走らせてもらおうと思ったら、環境の観点と福祉の観点が必要になると思います。最近「サブスクリプション」という言葉を耳にするようになりました。一定額を払えば、いくらでも乗れたり、利用できたりするというものです。バスも1人乗ってもたくさん乗っても1台を走らせるお金は大きく変わらないわけです。その意味から、福祉におけるバスの利用は考えられないかと思うのです。例えば免許を返納した方が、どこからでもバスに乗れるような福祉バスの形を作るなど、方策として何かできないだろうか。

    それからもう一つ、今路線バスは京阪と奈良交通で走らせてくれていますが、ここに市が仲介のような形で入ってもらい、両社が相互乗り入れのような形で運行してくれれば、お互い楽になるのではないかということです。それでうまく循環のような形で市内を走らせることができるのではないか、と。

    市内でもバスの本数が少ない地域があります。そこに大きいバスが走るのも難しいでしょうから、それだったら、タクシーが乗り合いで運行するような形ができないかということも思っています。

    将来的にはバスも自動運転になるかもしれませんが、それまでの期間も今と同じような形で繋いでいけるようなことができないかと思っています。

    司会

    たくさんご意見をいただいたので少し整理をしたいと思います。一つは交通政策をいろいろな観点から考えるということ。それには現状の交通だけでなく、今後新しく想定されるいろいろな交通手段も絡めて公共交通の将来像を描く必要があるというお話だったと思います。もう一つは、京阪と奈良交通の相互リンクについてもご意見をいただきました。これは市長さんにコメントをいただくことになると思います。

    大きなところでは、この2点だと思うのですが、まず先生からコメントをお願いします。

    講師

    今から20年くらい前に大変流行ったキーワードが「地球に優しい」です。それでエコ活動に対して国からたくさんの予算が付きました。しかしそれらはもう廃れてしまって、今や予算も付きません。それはなぜか。環境に優しいことが良いことだとはわかっていても、頭で考えるだけでは誰も動かないからです。つまり、「こうしなければいけないから、自分はやるよ!」という行動が伴わないと、物事は動かないのです。ただ、20年で何が変わったかというと、省エネ家電が一般的になりました。あと、マイボトルが浸透しました。先ほど、サブスクの話をされましたが、定期券はサブスクですね。

    参加者

    それはそうなのですが、ある程度の年齢の人たちを対象に、サブスクリプションを使って福祉的なことができないかな、という意味です。

    講師

    先ほど、このまちは30年ずれているという話をしましたが、30年前にも皆同じことを言っていたのです。高齢だからタダにして、安くしてと言って、それで今どうなったかというと、そういうまちは崩壊しているのです。年収に応じてということだったらわかるのですが。京都市は福祉パスがあるからいいよね、という話を聞きますが、それなら京都市に住んだらいいのです。そういう人たちをタダにするということでやってきた結果、若者はこんなところに住みたくないと逃げ出しているまちがたくさんあります。そうならないように、今、きちんと払えるときに払っていくべきなのです。

    よく、タクシーが高いから安くしてほしいという人がいます。私はそういう人たちに、私がその金額を払うから、会議の後に私を乗せて運転してと言います。しかし、それでは割に合わないのです。つまり適切な対価を払わないと、サービスは維持されないのです。タダほど高いものはありません。

    ちなみに、滋賀県の会議に出席したところ、70歳以上の高齢者をタダにしたいという提案が出ました。そうしたら、副会長が自分は来年70歳だが70歳に見えるか、と言いました。では、75歳以上にしようかという提案が出たら、別の委員が自分は75歳だが高齢者に見えるか、という話になり、結局高齢者とは何なのかということで、この提案はペンディングになりました。つまり、滋賀も今人口が増えていますが、滋賀の人たちは大阪などを見て、同じことになってはいけないということがわかったのです。

    ということで、私たちに何ができるかをぜひ考えてほしいのです。その時に、福祉の観点や自転車の観点を入れることは良いことです。今までバスばかりで考えてきたからうまくいかなかったのだと思います。やはり鉄道、バス、タクシー、自転車、徒歩という選択肢の中で、皆で考えていることを進めていきたいと考えています。

    参加者

    以前に新聞で、バスを維持して地域を発展させようと思ったら、地域住民の覚悟が必要であるという記事があり、それはよくわかるのですが、タダにまでしなくても、若干でも安くすることで、乗りやすくなるのではないかということがあります。それから、例えば京田辺駅行きのバスが遅れることがあります。すると、用事に間に合わなくなってしまうので、1本早く乗ろうとします。それで以前だったら20分に1本でしたが、30分に1本だったら、かなり待たなければいけなくなります。最近はアプリでバスが今どこを走っているかわかることもできるので、改善されている部分もあるのですが、そういう不便さを解消していってもらいたいと思います。

    講師

    京阪バスはスマホで、到着予定時間の情報を提供するサービスを行っています。とても良いシステムです。なので、皆さんがそれを地域の方に伝えてあげてください。それが皆さんのお役目です。

    それから、運賃を下げてもお客さんは増えません。イメージなのです。なぜマイボトルが流行ったか?かっこいいからです。だから、バスやタクシーに乗っているほうがかっこいい、車に乗っている人がダサい、というイメージにしていかないといけないのです。それで、今は「かわいい」に需要があります。この辺では「かわいいバス」が走っています。窓がハートになっているバスで、松井山手などで走っています。やはりイメージを変えていくことが重要なのですが、どうしたら変わっていくかというと、子育て世代の方々からのアイデアによって変えられると思います。そういうソフト面がカギになると思います。

    参加者

    乗合タクシーはいいですよね。乗る人がコミュニケーションをとって乗り合いをすることができればいいのですが。例えば、夫はプールに行くのですが、乗り合いで行ける人はいないかということを言ったりしています。

    市長

    そういうことは技術でできそうですよね。今これだけスマホなど通信技術が発達してきているのですから、乗り合いの仕組みとしては十分に考えられそうな気がします。

    参加者

    乗り合いができれば、タクシー会社にも利用者にも応分の料金で行けるのではないかと思います。いちいち停まってもらったり、回ってもらったりする面倒は出てきますが。

    市長

    先生のお話のとおり、バスという固定概念だけでなく、他の選択肢としてタクシーもあるし、自家用車の活用も考えられます。もう少し公共交通の幅を広げた議論のあり方が、これからは必要だろうと思います。

    司会

    その意味では、夢が語れる条件が整っているのはないかと思います。他に、お聞きしたいことなどがありましたら、お願いします。

    参加者

    先ほどのお話のようなかわいいバスがあったら、子どものテンションも上がると思います。バスに乗ること自体は親にとっても子どもにとっても苦痛な部分があって、時間まで待たなければいけない、バスの中でじっとさせなければならない、騒ぐと迷惑がかかるといったことがありますが、かわいいバスなら、子どもも嬉しいと思います。

    以前は奈良に住んでいたのですが、奈良には停留所に木のベンチがありました。こちらの停留所にもベンチのあるところもあるのですが、屋根もなくボロボロだったり、ベンチがないところもあります。ベンチがないと子どもを待たせるのも大変ですし、荷物を置けるか置けないかでも全然違います。バスを利用するときに、なるべく苦痛にならないことが、バスに乗ろうという気持ちにつながると思います。

    司会

    今のお話を聞いて、ちょっとした工夫でもバスに乗りやすくなるかと思ったのですが、何かアイデアや事例などはありますか。

    講師

    バス待ち環境は、駅中心のところと家の最寄りを同じ環境にしなくても、家の近くの方はきれいでベンチがあるというように、その場所に合わせたレベルで整備していくことが他の自治体でも始まっています。

    うちも子どもをバスに乗せていますが、バス待ちのときは、おばあちゃんたちが話しかけてくれて相手にしてもらっていたり、空を見て飛行機雲などを見つけて喜んでいたりしました。バスに乗っているときは、ひらがなを覚えたての頃は、バスの外でひらがなを見つけさせたり、クリスマスシーズンなどはバスの外のクリスマスツリーを見つけさせるような遊びをしていました。また、バスを待っている時もできるのですが、赤い車が何台通るかなどを一緒に数えるなどしていました。ご参考になればと思います。

    司会

    日々の暮らしの中で個々人が見つけているアイデアも皆で持ち寄れば大きな取り組みになって、夢が実現するかもしれません。

    参加者

    日常の習い事以外に、児童館で開催している親子教室に参加したいと思っています。大住児童館はバスが出ているので行けるのですが、普賢寺児童館はなかなか行けません。もしタクシーで乗り合いができれば、車を持っていない人も行けるので、ありがたいと思います。タクシーは高いので、そこまでして行く必要はないかと思ってしまいますが、せっかく無料でこういう教室を開催してくれているので、利用しやすい交通手段があったらありがたいと思います。

    市長

    イベントに付随してどのようにして来てもらうかという発想を、行政が持たないといけませんね。

    参加者

    知り合いに最近引っ越してきて、大住児童館に車がなくても行けることを知らない方もいます。また京田辺の駅のバス停は3カ所あって、どれに乗ったらどこに行くかということも、初めて来た方や外国人の方にはわかりにくいと思います。実際、京田辺からすごく離れているのに、バス停名に京田辺と入っていると混乱すると思うので、せめて名前くらいもっとわかりやすくしたらいいのではないかと思います。大住児童館のイベント案内でも、アクセス方法も詳しく示してくれれば、初めて申し込む方でも行けるのではないかと思います。

    市長

    アクセス方法が車だけでないということのアナウンスの仕方の問題ですね。これは大事ですね。

    参加者

    「お願いモードから、私ができること」という点が、身につまされます。高船の集落はわずか400人弱です。しかも66歳以上が45%を占めます。1日2便しかなくて便利は悪いけれど、ゼロになったらアウトです。放ったらかされているのか、ということになるので、2便でも絶対に維持してほしい。親が亡くなった時に、親戚が来て「お前のところは落ち武者の村か」と言われました。それでもバス停があって2便でも来ていればまだいいです。なくなったら何もできない、見捨てられた村になる。福祉の線で進めるとすぐ切られます。福祉は1年目は大きく花火を打ち上げるように施策を打ち出すけれど、2年3年と経つと費用対効果で確実に打ち切られます。だから、公共交通機関として、ぜひとも維持してほしいというのが意見です。

    市長

    バス停のない集落はあり得ないという話は、そのとおりだと思います。今のところ、京田辺市は公共交通が行き届いているまちなので、これがなくなると大変なことになります。これをなくさないためにも、高船の人たちにも何とか乗っていただきたい。乗ってもらうための方策について事業者にも努力をしてもらわなければならないだろうし、市もやるべきことがあると思います。とにかく残すことが大前提だと思います。

    講師

    先ほど京都市内へ行かれるときに、1時間早く着くけれどバスを利用したとお話しされていましたが、まさにその話を広めればよいのです。早く着くかもしれないけど、それに乗るしかないのです。それをしないで、早く着くのが嫌だから、といって車で行こうとしてきたので、今の本数になってしまったのです。なので、そのライフスタイルを集落の400人に伝えることが、バスの維持に繋がるのです。「バスだと1時間早く着いたけど、京都市内で1時間潰せたわ」「帰りもちょっと待ったけど、バスで帰って来れたわ」、こんな話を地域の人に伝えることが、自分ができることなのです。そうした上で、これだけ乗っているのに本数が少なくて不便という話になったら、本数増やすように交渉しましょう、という流れに持っていけます。今1人しか乗っていないのなら、10人乗ったら10倍です。そういうことを目指されるのをお勧めします。私もお手伝いしたいと思います。

     あと、公共交通で行ける場所で何かを開くというのが一番良いです。それから、公共交通の時間に合わせて、開始時間を決めることも大事です。またホームページで紹介する際、公共交通で来られるということをトップに出すこともよいでしょう。

     それからお話を聞いてわかったのは、京田辺のバス停は市民の方もよくわかっていないということです。駅のロータリーに3カ所くらい同じバス停があって、よくわからない。バスを待っていると通過されて、それで間違っていたことがわかるのです。逆に言えば、これは改善する手立てがあるということです。

    参加者

    先生のお話がとてもよくわかり、目から鱗の状態で、参加してよかったと思いました。自分の意識改革がまず大事だということがわかりました。

    講師

    自分が徒歩で行けるところはどこかを調べておいたとおっしゃっていましたが、そういうのはすごくいいことなのです。予めそういうことを考えていたから、具合が悪くなったときでも何とかなったということを、周りの人に広げてほしいのです。早めに準備しておいたので、自分は何とかなっているということを広めることも良いことです。

    参加者

    同志社山手から田辺中学校に行くのに、自転車で急な坂を下ります。雨の日は合羽を着て、重い荷物を載せて行っており、何件か事故も起きています。そういう状況なので、中学生もバスに乗せてあげたらどうかと思います。同志社山手などは三山木駅までのバスしかなく、市役所に行くバスもありません。そこで、もし精華から松井山手まで行けるようなバスがあれば、市役所にも行けるし、登下校で使えれば親としてはすごく安心できます。中学生のうちから登下校でバスに乗るというのは、公共交通に対する考え方の改革になると思いますし、ぜひ乗せてあげてほしいです。

    市長

    バス会社のテリトリーの問題が壁になっています。行政サイドとして筋道をつける方法もあるのですが、バス事業者ごとの規模感もあるし、プライドもあるので、行政が間を取り持つからといっても、なかなか成り立たない世界でもあります。あと、学研都市線が山手幹線と平行して通っているので、そこに松井山手駅までのバス路線網を作ると、では学研都市線の利用者数をどうするのかということにもなるわけです。

    一方で先ほど話があったように、小中学校のうちからバスに親しむには、どういうあり方が良いのかということがあります。私もバスに乗って塾に行っていたような記憶があるのですが、今、自分の子どもは自分が送り迎えしていて、「甘やかしているなあ」と思います。そういう現実も見ると、手立てとしていろいろなことが考えられるように思います。

    参加者

    例えばスイミングスクールや塾などが、それぞれバスを出していますが、公共のバスが通っていればそんなバスは要らなくなって、公共のバスの利用者が増えるのではないかと思います。

    それと今、同志社山手にスーパーができるという話も出ています。例えばそこに市役所の出張所のような窓口ができ、バスも1日3便そこを通るようになれば、高齢者などはそこで生活が賄えるのではないかと思います。

    あと、タクシーの話なのですが、久御山町に「のってこタクシー」という乗合タクシーがあります。それを京田辺でもできたら、高齢の方にとってはバス停まで行かなくても乗ることができて、便利ではないかと思います。それからこの間Uberタクシーのチラシが家に入っていて、もしUberタクシーと「のってこタクシー」をうまくアレンジしたものができたらいいでのはないかと思いました。

    参加者

    Uberタクシーは、京都ではまだ1社しか導入されていません。また「のってこタクシー」は、公共交通機関のないエリアでの移動のためのものです。公共交通機関がない地域で、近くのバス路線のバス停までの移動に使う、もしくはバスのない区域内の移動に使うといった形のものになります。

    参加者

    路線バスの人手が足りなくて、タクシーに頼らざるを得ないのであれば、そんなふうにタクシーを使ったらいいのではないかと思ったんですが、やっぱりバスがメインということなのですね。

    参加者

    はい。あくまでもバスとタクシーを上手に組み合わせて移動しましょう、ということが原点にあります。数としてはまだ多くはありませんが、Uber以外でも配車アプリを使う動きはあります。ただ、それもお客様に呼んでいただいて、そのとき近くに車があるかどうかになりますので、時間帯やイベント等の状況によっては、いつでも配車できるということではありません。これは全国的にも同じことです。タクシーを呼ぶ方法が、電話や手を挙げるだけではなくスマホでも、ということで幅が広がったということです。

    参加者

    東京では乗合タクシーの実証実験をしています。ただ、やはり人の力だけでは難しいので、AIが時間や場所、行き先等も確認しながら組み立てていきます。そうすると、女性の方が男性と同乗するのが嫌だ、女性を先に送ると家がわかってしまうということが出てきたのです。では同性同士で乗り合わせればいいのかというと、アプリで申し込むので、悪い人は男性でも女性を名乗って申し込んでしまう、ということが考えられます。今はまだ実証実験の段階ですが、いずれはそういったことが解消されるのではないかと思います。

    参加者

    松井山手や新田辺の駅前は、特に夕方以降の時間帯、違法駐車の嵐です。子どもの送り迎えです。道路の構造的に停められてしまうのです。山手幹線の一部では、真ん中にポールを設置して車が停められないようになっていますが、あれを徹底的に設置してほしい。車で行くのが不便になるような仕組みにしたらどうかと思います。

    あの時間はまだバスがあります。それに合わせればいいのです。うちの娘は今21歳なのですが、甘やかし過ぎていて、何かあると送迎をしてと頼まれていました。それで、これはいけないと思って最近は断っています。バスや電車がなくなったときだけ、仕方がないから行きますが。そうしたら何が起こったかというと、どうしたらバスや電車で行けるか、アプリなどを見ていろいろ調べ出したのです。それで、親としてもそういう教育をしていかなければいけないと感じました。

    司会

    今いただいた、公共交通の利用を念頭に置いて車を通しにくくするというアイデアについて、先生からご意見をお願いします。

    講師

    バスがなぜ遅れるかというと、車の渋滞が原因です。だから、バス会社ではなく車を運転している人を怒るべきです。最大の原因は、送迎する自家用車のせいでバスが駅前広場に入れないということです。なので、本当は道路を整備しない方が車が減るのですが、それはさすがにできないので、少なくとも車がそこに停まると損をするようにするしかないです。徹底的に取り締まるか、別の場所に停車スペースを作って、そこだったら停めてもいいというようにするのです。

    あと、このまちで行っていたとても良い施策で、忘年会シーズンに駅前でチラシを配るというのがあります。チラシには最終電車と最終バスを載せて、これに乗ったら家に帰れますよとお知らせしています。これを奥さんに配るのです。そうすると、送迎している奥さんが「私が迎えに行かなくても、これで帰って来れるでしょ」と。それで実際に送迎が減ったのです。こういう施策は非常に先進的で、私はいろいろなところで、この京田辺の取り組みを紹介しています。こういうことを継続していくことも効果があると思います。

    先ほどの中学生の話もそうなのですが、通学での利用者がどれだけかわかって、それで採算が合うということであれば、両事業者で手を組んでバスを出してくれると思うので、地域の状況がわかるデータを出してもらえると助かります。

    それから中学生にどうしたら公共交通に乗ってもらえるかというと、夏休みだけでもいいので、キャンペーンで運賃をほぼタダにすることです。高校生になる手前くらいの時期にバスに乗る機会をつくって、抵抗感を下げるのです。中学生になると、運賃がそれまでの倍になります。なおかつ遊びたい盛りで「遊びに行きたいからお金ちょうだい」と子どもが言っても親は渋りますよね。だから、夏休みだけでも気軽に出かけられるような優先策を取っていくと、まちが活気づきます。

    司会

    一通り皆さんのご意見をうかがいました。最後にこれだけは聞いておきたいということがあれば、お願いします。

    参加者

    松井山手から精華町まで行くバス路線の話はあるのですか?

    市長

    バス路線として具体に出ている話はないです。奈良交通さんとしても、松井山手からどれだけ乗ってもらえるかがわからない。京阪さんとしても、精華町方面までどれくらいの人が行くのかわからない。こういう状況なので、経営判断としては、現実的な動きになかなか結びつかないのです。現時点ではそういう状況だと思います。

    市としては痛し痒しです。それで学研都市線の利用者数が減ると、複線化が遠のいてしまいますし。

    参加者

    一休ケ丘では、バスがなぜか2台続けて来ます。なぜなのだろうと思ったら、新田辺駅から大住の方に行く路線と、松井ケ丘の方からぐるっと周る路線と2つあるのです。これが前後して来るのです。それも両方とも大住方面へ行くので、疑問を感じています。

    講師

    発車するところが異なり、コースも違うのですが、そこでは接近するのですね。そこを等間隔にしようとすると、今度は別のところで問題が出るでしょう。一番お客さんが乗るところが良くなるようにしているので、2台続けて来るのは、偶然そうなってしまうところがあるのです。私たちの生活でも、どこかを最適にすると、別のところにしわ寄せが出てしまうことはあると思います。バスも私たちの生活も似たようなものです。そこも含めてうまく利用したほうが、子どもたちにも関心を持ってもらえると思います。何よりも子どものうちからバスに関心を持って移動したほうが、世の中良くなります。

    今私が研究で取り組んでいるのが、幼稚園・保育園の年中さんから小学1~2年生の子に絵を描いてもらうことです。あなたのおうちを真ん中に、おうちの周りに何があるか描いてね、おうちから幼稚園、小学校までの間に何があるか描いてね、と言います。すると、車ばかり使われている家庭だと、描かれるのは道路や信号、駐車場になります。徒歩や自転車、バスに乗っておられるご家庭だと、川に魚がいる様子や、お店など、描く内容が全く違ってきます。どちらが良い悪いではないのですが、そういう違いが出るということは、子育て中の方には知っておいていただけるといいかと思います。


    講師講評

    いろいろな地域で、住民の方とお話をさせていただく機会が多いですが、今回、何が良かったかというと、幅広い世代の方に来ていただいたことです。だいたいこうした機会を設けると高齢の方が多くて、要望だけになるということが多いのですが、今回は子育て中の方にも来ていただけた。このまちの特徴を、まさにこのメンバーが表していると思います。多様な人がいるということ。多様な意見が出てきて、いろいろな世代がいて、良い方向に動いているということです。

    これから将来の公共交通について考えることを始めれば、京都府内で一番良いものができるかもしれない。それを維持していけば、次々と子育て世代が入ってきて、バランスの良いまちになっていくので、もしかしたら、近畿で公共交通のモデルケースになるかもしれないという手応えを感じました。これを縁に、京田辺には公共交通のことについて教えてほしいという話も来るかもしれませんが、そのときには快く教えていただければと思うので、よろしくお願いします。


    市長講評

    皆さん、今日はありがとうございました。貴重なご意見をいただく機会になりました。公共交通を実際に使っている方、なかなかお使いにならない方も含めてご意見を聞かせていただけて、良かったと思っています。

    市として公共交通を守り育てていきたいと思っていますし、それは未来に残す財産だと思って取り組んでいきたいと考えていますので、またいろいろな形でお力をいただけたらと思います。



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    京田辺市役所企画政策部秘書広報課

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