Discovery~知の扉を開く~大学教員の研究紹介 No.2(広報ほっと京たなべ 令和5(2023)年8月号掲載)
- [2023年11月20日]
- ID:19914
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市と連携協定を結ぶ各大学の教員が研究している内容を紹介するシリーズです。知の拠点「大学」を身近に感じてください。

フランスとスペインの近現代音楽などの研究(同志社女子大学 学芸学部音楽学科 教授 椎名 亮輔さん)

同志社女子大学 学芸学部音楽学科 教授 椎名 亮輔さん
ピアニストとしての一面もあり、4月にはCDをリリースしました。最近のお気に入りは、友人から譲り受けたピアノを弾くことです。

研究内容について
世界的な主流派であるドイツの音楽と異なり、フランスやスペインの音楽はあまり知られていませんが、それぞれ独自の魅力があります。最近の私の主な研究対象は、スペイン現代音楽の作曲家フラダリック・モンポウ(=写真(下))です。モンポウの作品は大規模な交響曲などではなく、内面的で落ち着いた作品が多く、スペインの代表的な作曲家として評価されています。彼には他の作曲家にない独特の世界があり、非常に魅力的です。
私は、モンポウをもっと多くの人に知ってもらうために、彼の伝記を日本語で執筆しています。約10年前から、資料を収集したり、現地の研究者やモンポウと面識がある人から話を聞いたりしています。これまでバラバラだった研究成果を1つにまとめ、伝記として完成させたいと考えています。
モンポウは、戦争など時代の波に翻弄(ほんろう)されたドラマチックな人生を送っています。伝記を執筆する中で、手に汗握る部分もあり、それが研究の面白さにもなっています。
モンポウのほか、世間に知られるべき価値がある作曲家がたくさん存在します。私は自分の研究を通じて、多くの人にこれらの素晴らしい作品を知ってもらいたいと考えています。

(1893~1987年)

息抜きは
コロナ禍をきっかけに、自宅の近所で開かれていた保護猫の譲渡会に足を運び、猫を飼うようになりました。また、自宅のベランダでさまざまな植物を育てることも楽しみの1つです。大学の研究や講義などで忙しい日々を送っていますが、多種多様な植物たちと触れ合うことで癒やされています。
さらに、散歩をすることも好きです。コロナ禍の中、JR京田辺駅からキャンパスまで歩いて通勤していた時期がありました。その際、京田辺の豊かな自然や特徴ある地形を堪能し、楽しんでいました。

市民とのつながりは
私は現在、音楽学科の講義「音楽によるアウトリーチ(※)」の発起人として携わっています。この取り組みを通して、子どもたちに本物の音楽に触れてもらうことができるとともに、履修した学生たちの成長を促す良い機会となっていると考えています。
また、同志社女子大学は市民向けのコンサートや公開講座などを定期的に開いています。市民の皆さんにもぜひキャンパスまで足を運んでいただければと思います。
※音楽によるアウトリーチとは
音楽の楽しさや楽器などを知ってもらうため、学生が小学校の授業で音楽公演を行う事業。平成30年度から毎年行っています。
スペインを訪れ、モンポウの友人から色々貴重な話を伺いました。