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    令和5年度施政方針

    • [2023年6月9日]
    • ID:19383

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    はじめに

    爽やかに薫る京田辺玉露を味わえる季節となりました本日、令和5年第2回京田辺市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位には、何かとご多用のなか、ご参集いただき厚くお礼申し上げます。
    さて、先に執行されました市議会議員一般選挙におきまして、激戦の中を市民の信託を受けて当選されました議員の皆様に対し、改めてお祝いを申し上げます。
    何とぞ、市政の推進のために、ご尽力をお願いするとともに、ご活躍を祈念申し上げる次第でございます。
    私も、市長選挙におきまして、2期目の市政運営をスタートさせていただくこととなりました。
    これまでの4年間、その多くをコロナ禍への対応に追われ、またロシアのウクライナ侵攻も重なり、世界的に人々の暮らしや経済に厳しさが増すなか、市民協働や人のつながりを深化させ、市民主役の地域社会の構築に取り組んだところです。
    そして、市制施行25周年を迎えた京田辺市の成長を皆様と祝い、市民まつりの開催によって、まちに元気を取り戻すこともできました。
    今後は、コロナ禍も転換期を迎えたことから、社会経済活動の一層の回復と、市民との対話を基本に、政策理念である「みんなが住み続けたいと思えるまち」の実現に向けて、議員の皆様と連携を図りながら、職員と一丸となって全力で市政運営に取り組んでまいります。
    2期目のスタートにあたり、市政推進に対する私の所信の一端を述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様には、引き続き、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

    基本認識

    令和の時代の始まりとともに、感染が拡大した新型コロナウイルスにより、これまで人や物の移動が制限され、雇用や経済が不安定になるなか、人々の働き方が変わり、教育のあり方にも変革が迫られるなど、社会のシステムや人々の生活に大きな変化が起こりました。
    また、ロシアによるウクライナ侵攻は、国際法上許されない行為であり、世界秩序を脅かすだけでなく、食糧、エネルギー、貿易、金融など、世界経済の広い範囲に大きな損失をもたらしています。
    今後は、コロナ禍を契機とした社会の変化を展望し、しっかりと対応を進めるとともに、ロシア・ウクライナ問題による影響に加え、金融緩和の修正、物価高騰などによって、まちづくりや市民生活に大きな影響が出ないよう対策を講じなければなりません。
    一方、2025年に大阪・関西万博が開催されることから、関西圏の自治体が連携して機運を高めるとともに、経済効果を最大限に引き出せるよう取り組まなければなりません。
    こうしたなか、本市におきましては、人口減少社会にあっても、今なお人口が伸び、まちが成熟するとともに、枚方市との可燃ごみ広域処理施設整備や学校給食センター整備をはじめとした大型プロジェクトも緒に就くなど、順調にまちづくりが進んでまいりました。
    今後は、これまでのまちづくりをさらに推進するとともに、デジタル化の恩恵を誰もが享受できる「デジタル社会」、深刻化する地球環境問題に向けた「脱炭素社会」、こども家庭庁の誕生による「こどもまんなか社会」、それぞれの実現に重点を置きながら、ポストコロナのなか、本市の成長と発展に向けた取組みを推進しなければなりません。
    さらには、新名神高速道路全線開通や北陸新幹線新駅設置という大きな発展要素もあり、これらを京田辺のさらなる飛躍につなげなければなりません。
    以上、本市を取り巻く状況をしっかり認識し、市民生活や地域経済の変化を敏感に感じ取り、これらの課題に迅速に対応しながら、本市が持つポテンシャルを最大限に生かした魅力ある京田辺の未来に向け、まちづくりを進めてまいります。

    まちづくりの基本姿勢

    令和5年度の施政方針は、市長就任2期目のスタートの年にあたりますことから、今後4年間の「まちづくりの基本姿勢」について述べさせていただきます。
    私は、市長就任当初に、都市像「緑豊かで健康な文化田園都市」の実現を目指すため、市民の皆様にも参画いただき「安全で心安らぐやさしいまち」や「活力に満ちた便利で快適なまち」などを、まちづくりの基本方向とした「第4次総合計画」を策定したところです。
    そして、私が政策理念とする「みんなが住み続けたいと思えるまち」に向けて施策を展開するため、令和5年度までを計画期間とする「まちづくりプラン」を策定し、これまで市政を推進してまいりました。
    コロナ禍への対応に追われながらではありましたが、子育て支援の充実、市内経済対策の推進や市民まつりの開催に加え、学校給食センター整備をはじめとした大型プロジェクトもスタートできたほか、ふるさと納税や大住工業専用地域の拡大により、歳入確保という面でも一定の成果が出ているところです。
    しかし、同時に、人々の暮らしや社会の変化によって、人と人とのつながりが薄れるなど、新たな課題も生じています。
    このことから、令和5年度においては、まず「まちづくりプラン」の仕上げに取り組んでまいります。
    そして、これまでのまちづくりの基本方向を継承するなかで、「子どもをまちの真ん中に、住む人が輝ける」、「人と人のつながりの強化で安心して暮らせる」、「都市基盤の整備で次世代に誇れる」、こんな京田辺の未来づくりに取り組んでまいります。
    そのため、大型プロジェクトをさらに前進させ、コロナ禍によって変化した市民の暮らしや加速したデジタル化、地方創生、SDGsの推進などにもしっかり対応し、今後4年間の市政推進の羅針盤となる「中期まちづくりプラン」を市民の皆様にも参画いただくなかで策定してまいります。
    そして、市議会はもとより、国や京都府としっかり連携を図りながら、市民の皆様との対話を基本に、職員と一丸となって「中期まちづくりプラン」に掲げる施策事業の展開に取り組んでまいります。

    まちづくりの視点

    自治体を取り巻く環境に一層厳しさが増すなかで、本市の持つポテンシャルを最大限に生かした魅力的なまちづくりを進め、市民の皆様にしっかりとした公共サービスを提供するためには、持続可能な行財政運営が不可欠になります。
    令和5年度一般会計予算においては、市長選挙を控えていたことから骨格予算として編成しましたが、学校給食センターや天理山古墳群史跡広場整備など、継続する大型事業に予算付けを行ったこともあり、約325億円、前年度比34億4千万円増と過去最大の予算規模になったところです。
    一方、歳入では、市税や国・府の支出金だけでは賄えず、各種基金からの繰入れや地方債の発行など、これまでにない規模の財源対策を行ったところであり、今後も大型事業の本格化などにより、本市の財政は厳しい状況が続くと予測されます。
    このことから、ポストコロナ社会への対応、大型事業の平準化、DXの推進、民間活力の導入など、本市を取り巻く環境や社会情勢の変化に対応し、しっかりと市民サービスの維持向上を図りながら、輝く未来に向けてまちづくりを確実に推進できるよう、新たな「行政改革大綱」と「行政改革実行計画」の策定に取り組んでまいります。
    そして、「総合計画」と「行政改革」を両輪に、まちづくりを確実に推進してまいります。
    また、まちの魅力を発信し、参画と人のつながりによるまちづくりを進めることで、市民みんなが「やすらぎ・優しさ・癒やし」のほか、「すこやか・育み・つながり」や「快適・発展・活力」というものを実感できるよう取り組むとともに、新名神高速道路全線開通や北陸新幹線新駅設置など、しっかりと先を見据えたまちづくりに取り組んでまいります。

    まちづくりの基本方向と主要施策

    先に述べましたまちづくりの基本姿勢と視点をもって展開します主な施策について、「第4次総合計画」の基本方向に示す5つの柱ごとに、順次、ご説明申し上げます。

    第1に、「安全・安心」をキーワードとした取組みであります。

    今年5月に、能登地方で震度6強の地震が発生するなど国内で地震が頻発し、大規模地震への危機が高まっているほか、毎年全国各地で集中豪雨や台風などによる風水害も発生しています。
    こうしたことから、地震への備えや治水対策をはじめとした防災・減災対策に取り組み、より安全で安心な地域づくりを進めることで、「安全で心安らぐ優しいまち」を目指してまいります。
    まず、治水対策では、昨年度から、国や府、綴喜西部土地改良区と連携し、中心市街地の内水排除対策として田辺排水機場更新事業と新西浜樋門整備事業が始まりましたが、今年度から、防賀川から新西浜樋門に通じる放水路の整備工事に着手してまいります。
    また、松井地区では吉原川の整備、興戸地区では排水困難地解消に向けた水路整備など、大雨による浸水被害から市民生活を守ってまいります。
    次に、危機管理では、順次、指定避難所で訓練を行い、それぞれの指定避難所単位で運営マニュアルの策定を進めているところであり、今年度は、普賢寺小学校で訓練を実施してまいります。
    また、市内に、様々な国の外国人が居住するようになってきたことから、これまでの英語版に加え、中国語、韓国語、ベトナム語版のハザードマップを作成するとともに、ホームページにも掲載することで、誰もが安全に暮らせるよう取り組んでまいります。
    さらに、田辺西インターチェンジ西側で整備を計画している防災広場について、第1期の造成工事に着手するとともに、防災備蓄倉庫の整備に向けた建築設計に取り組んでまいります。
     
    次に、消防体制では、常備消防と消防団が連携した総合防災力の向上に取り組むほか、京都市以南の9つの消防本部が連携し、消防指令センターの共同運用に向けた実施設計に取り組み、消防・救急体制の強化を図ってまいります。
    次に、消費者保護では、インターネット取引などの拡大によって、年々増加し、複雑化する消費者被害を未然に防ぐため、消費生活センターと関係機関が連携した啓発活動などを強化することで、市民が安心して消費生活を営めるよう取り組んでまいります。
    次に、平和都市の推進では、ロシアのウクライナ侵攻や度重なる北朝鮮によるミサイル発射によって、国内において安全保障への議論が高まっています。また、先月には、G7主要国首脳会議が被爆地の広島で開催されたところです。
    こうしたなか、戦争の悲惨さと平和や命の尊さを次世代へと伝えるため、これまでの「平和を考える小・中学生ひろしま訪問事業」を「小・中学生平和大使ひろしま派遣事業」とし、より多くの子ども達が参加できる環境を整えるとともに、見聞きしたことや感じたことを広く市民と共有するなど、平和都市推進協議会と連携して、市民の平和意識の高揚に取り組んでまいります。
    次に、人権尊重の取組みでは、近年、インターネット上での人権侵害や職場でのハラスメントが問題視されていますが、市民が個性の違いや多様性を受け入れ、お互いを尊重し行動できる社会の実現に向け、「第2次人権教育・啓発推進計画(改訂版)」に基づいて、人権教育・啓発の推進と相談事業に取り組んでまいります。
    また、「第3次男女共同参画計画」に基づき、男女が社会の構成員として、対等に自らの意思により社会のあらゆる分野で活動できるよう、各種講座を通じた意識啓発と相談事業を展開してまいります。

    第2は、「緑」をキーワードとした取組みであります。

    本市では、ゼロカーボンシティへの挑戦を宣言していることから、再生可能エネルギーの活用を柱に、さらなる地球温暖化対策に取り組むとともに、都市と自然との調和を大切に、市民が身近に自然の移ろいを感じられるよう、緑を大切にした「緑に包まれた美しいまち」を目指してまいります。
    まず、地球温暖化対策では、ライフスタイルの転換や再生可能エネルギーの導入推進など、市民を巻き込んだ啓発行動や家庭のエコ支援を展開するとともに、「ゼロカーボンオフィス実行プラン」に基づいて、市役所の脱炭素化をさらに加速させるため、可能な限りの省エネ対策に加え、公用車の電動車導入などを積極的に進めることで、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいります。
    また、「一般廃棄物処理基本計画」についても、令和5年度に計画期間を迎えることから、さらなるごみ減量化や省資源化に向けた3Rの推進など、環境への負荷軽減に向けた取組みにあわせて廃棄物の適正処理を進めるため、新たな計画の策定に取り組んでまいります。
    次に、都市緑化では、まちの発展とともに、公園や街路樹などの緑が増えてきており、これらまちづくりで生み出された緑と、京田辺の原風景である甘南備山などの自然を、文化田園都市にふさわしい景観に配慮した美しい緑として、あり方を検討するとともに、維持管理や緑の担い手の育成など、新たな視点を加えた「緑の基本計画」の見直しに取り組んでまいります。
    次に、公園整備では、田辺公園において、すべての市民が交流できる緑の拠点として、さらには障がいのある人が公園の運営管理に加わり、社会的自立に向けて訓練もできる施設となるよう、「農福連携」をテーマに、Park-PFI制度を活用した拡張整備を進めてまいります。
    また、障がいの有無にかかわらず、誰もが一緒になって遊べるよう、山手南地区の「ふわふわ公園」にインクルーシブ遊具を導入するほか、「田辺公園ヒコーキランド」においても、バリアフリー環境の整備にあわせて遊具を導入できるよう準備を進めてまいります。
    次に、甘南備園のごみ焼却施設建替えでは、令和5年度から施設建設工事がスタートしたところであり、引き続き、枚方市や枚方京田辺環境施設組合と連携を図りながら取り組むとともに、市民への情報提供に努めてまいります。
    また、し尿処理施設緑泉園では、施設のコンパクト化によって生じる土地の有効活用について検討してまいります。

    第3は、「健康」をキーワードとした取組みであります。

    長期化する新型コロナウイルス感染症も、ようやく転換期を迎えたことから、ポストコロナのなか、これまで以上に、市民それぞれが食と運動で元気で幸せに暮らせる取組みが求められています。
    このことから、「健幸」をテーマに各種施策を推進し、子どもから高齢者、障がいのある人まで、支援が必要な人すべてに、必要な支援が行きわたり、誰もが住み慣れた地域で健康に安心して暮らし続けることができる「いきいき健康で明るいまち」を目指してまいります。
    まず、新型コロナウイルス感染症対策として、新型コロナが5類に移行しましたが、国が令和6年3月31日まで特例臨時接種を延長したことから、市内医療機関と連携し、国が定めた対象者に新型コロナワクチンの個別接種を実施してまいります。
    次に、健康づくりでは、コロナ禍によって閉じこもりがちな生活になったことから、免疫力アップや生活習慣病予防のほか、フレイル対策として、水辺の散策路などを活用した歩く健康づくりに取り組んでまいります。
    また、HPV(ヒトパピローマウイルス感染症)ワクチン接種について、国の積極的勧奨が再開されたことから、これまでの積極的勧奨差し控えにより接種機会を逃した方に、公平な接種機会を確保するため、時限的に定期接種の対象年齢を超えて接種できるよう取り組んでまいります。
    次に、地域福祉では、近年、引きこもりや孤立、孤独が社会問題となるなか、コロナ禍によって、さらに状況が悪化したことから、市に設置している各相談窓口と社会福祉協議会など、関係機関が連携して助け合いやふれあいの輪を広げ、様々な面から暮らしをサポートすることで、社会的孤立の防止に取り組んでまいります。
    また、昨年度に設置しました「成年後見ステーション」が、判断能力が十分でない方などの権利を尊重して必要な支援を行うことで、認知症の人や障がいのある人などと、その家族が地域で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。
    さらに、「“生きる”支援計画」について、アンケート調査の結果を反映し、地域や社会とのつながりと孤立させない仕組みを強化することで、命を大切に、市民一人ひとりが自分らしく、いきいきと生活できるよう取り組んでまいります。
    次に、高齢者福祉では、近年、高齢者の間にもスマートフォンが普及してきたことから、多くの高齢者に利用されているオレンジルームや常磐苑、宝生苑でスマホ教室を開催するほか、区・自治会の公民館で開かれる教室に補助を行うなど、高齢者がスマートフォンを使いこなし、安全に便利で快適な生活を送れるよう取り組んでまいります。
    次に、障がい者福祉では、「医療的ケア児等支援連絡協議会」を設置し、支援に関わる事業所などが意見交換や情報共有を行い、医療的ケアの必要な児童などが、学校や地域で安心して生活が営めるよう取り組んでまいります。
    また、「第6期障害福祉計画」と「第2期障害児福祉計画」が、令和5年度に計画期間を迎えることから、次期計画の策定に取り組んでまいります。

    第4は、「文化・教育」をキーワードとした取組みであります。

    本市では、子育て世帯を中心とした転入によって人口の増加が続いていることから、引き続き、子育てにかかる施策を充実し、子どもが喜び、家族が幸せを実感できるよう取り組んでまいります。
    また、天理山古墳群をはじめとする豊かな歴史資源と、大学や学研都市という新たな文化資源を融合させ、様々な文化にふれ合い、人とのつながりを通して学びを深め、市民が京田辺らしい文化を創造する「子育てしやすく未来を育む文化薫るまち」を目指してまいります。
    まず、子育て支援では、今後の子育て支援施策の方向性を定める「第3期子ども・子育て支援事業計画」の策定に着手してまいります。
    また、「はぐはぐ出産・子育て応援事業」では、伴走型相談支援と出産・子育て応援ギフトの支給を一体的に実施するほか、妊娠期から子育て期まで身近に相談に応じ、ニーズに即した支援につなげてまいります。
    さらには、三山木保育所にある地域子育て支援センターを金融機関の空き店舗に移転し、乳幼児を抱える方などが、便利な場所で交流しながら、不安や悩みを気軽に相談できるよう取り組んでまいります。
    そのほか、「第1期市立幼稚園・保育所再編整備計画」に基づいて、河原保育所、草内幼稚園のこども園化に向けた取組みを進め、保育ニーズに対応してまいります。
    留守家庭児童会についても、本市留守家庭児童会に加え、民間の留守家庭児童会の運営支援を行い、児童の放課後保育を着実に進めてまいります。
    子育て世帯の負担軽減としては、子育て支援医療費の対象を高校3年生の年齢まで拡大するほか、民間の保育園・こども園における紙おむつの回収処分に対する支援と、市立認定こども園と市立幼稚園における教材費の公費負担を行うことで、安心して子育てができるよう取り組んでまいります。
    次に、教育では、中・長期にわたる教育関係施策を総合的、計画的に推進していくため「教育振興基本計画」を策定し、創造性あふれる心豊かな人間の形成を目指してまいります。
    また、市立学校間の児童生徒数の偏在による課題について、引き続き検討を進めるとともに、短期的な対応として、生徒数が増加している田辺中学校において教育環境の整備を行う一方、減少傾向にある培良中学校においては、令和6年度からの学校選択制度の導入に向けた特色化など、取組みを進めてまいります。
    さらに、「教育支援センター」を新たに開設し、不登校の未然防止と不登校児童生徒の社会的自立に向け、教育相談機能や学びの機会の充実と、児童生徒をはじめ保護者や学校への支援を総合的に実施してまいります。
    そのほか、児童に好評な民間事業者を活用した水泳授業の導入を拡大するとともに、学校施設の維持管理業務に包括管理業務委託を導入してまいります。
    次に、教育施設の整備では、学校施設の長寿命化を順次進めるほか、令和6年4月からの中学校完全給食開始に向け、引き続き、学校給食センターの建設工事と、各中学校における給食関係設備の整備に取り組んでまいります。
    次に、文化振興では、歴史的価値の高い天理山古墳群が所在する土地を取得するとともに、国や府の補助金を活用しながら、市内に点在する天理山古墳群、大住車塚古墳、飯岡車塚古墳の3つを綴喜古墳群として適切に保存管理するため、「保存活用計画」の策定に取り組んでまいります。
    また、「市民まつり(たなフェス)」を開催し、様々な市民やグループに文化を通じて「つながり」と「交流」が生まれるよう取り組むとともに、市民が身近に文化芸術に触れる機会づくりを行ってまいります。
    次に、スポーツ振興では、先月「ツアー・オブ・ジャパン京都ステージ」が4年ぶりに開催され、選手や多くの観客で普賢寺の里山が彩られたところです。8月には「全国小学生ハンドボール大会」が開催され、全国各地から小学生ハンドボーラーが集まり、京田辺を熱く盛り上げてくれます。
    このように、スポーツは参加する人はもとより、観る人にも元気を与え、多くの交流も生まれることから、今後もスポーツを生かしたまちづくりに取り組んでまいります。
    次に、野外活動センターについて、アウトドアブームのなか、新たに取得した土地の活用も含め、より市民に親しまれる魅力ある施設とするため、民間活力の導入も含めた施設全体の整備に向けて基本構想を策定してまいります。

    第5は、「田園都市」をキーワードとした取組みであります。

    本市では、都市と自然との調和を大切にしながら、交通利便性を最大限に生かしたコンパクトシティの形成を推進することで、誰もが便利に暮らせる魅力あるまちづくりを進めてまいりました。
    今後も、「立地適正化計画」に基づき、北部・中部・南部、それぞれの拠点駅周辺に都市機能を誘導するとともに、市の中核拠点である京田辺駅・新田辺駅周辺で、魅力的な新たな市街地を整備することで、府南部の交流拠点の形成に取り組んでまいります。
    また、新名神高速道路全線開通というインパクトを生かして、企業立地の促進を図り、雇用の創出と産業活性化に取り組むことで「活力にみちた便利で快適なまち」を目指してまいります。
    まず、市街地整備では、今年秋に市街化区域への編入が予定されている田辺北地区において、ウォーカブルで魅力ある街並みの形成ができるよう、無電柱化に向けて関係機関との調整を進めるとともに、土地区画整理組合の設立を支援してまいります。
    また、新田辺駅東地区についても、安全な歩行空間の中で買い物ができる地域に密着した商業エリアとなるよう、土地、建物の所有者と調整を進めるとともに、民間投資を促進できる方法を検討するなど、中核拠点全体の魅力アップにつながるよう取組みを進めてまいります。
    さらに、近鉄興戸駅西側についても、乗降客が安全にスムーズに駅を利用できるよう、防賀川廃川敷を活用した駅周辺の暫定整備に向けて取組みを進めてまいります。
    一方、旧市街地などで空き家が増加傾向にあり、地域コミュニティの維持に向けた対策が必要になりつつあることから、民間の力も活用しながら、住み替えの促進や住環境の整備につながる取組みについて検討してまいります。
    次に、道路整備では、大住土地区画整理組合により拡大された大住工業地区において、大型物流施設が立地することから、周辺道路における将来の交通量増加に備え、市道「杉ノ森大住線」の改良工事に取り組み歩行者の安全確保を図るほか、都市計画道路「松井大住線」の早期4車線化を引き続き京都府に要望してまいります。
    また、都市計画道路「大住草内線」については、田辺北地区新市街地や大住、草内工業地区のアクセス向上に加え、新名神高速道路全線開通を生かした府南部のまちづくりという点からも、道路ネットワークとして早期整備が望まれることから、京都府と事業化に向けて整備手法を協議してまいります。
    次に、公共交通では、コロナ禍などによって経営が悪化しているバス交通について、身近な交通機関として将来にわたり路線が維持できるよう、「路線バス無料の日」を設けて市民の利用を呼びかけることで、バス事業者を支援してまいります。
    また、「地域公共交通活性化協議会」での議論や検討を踏まえ、地域の公共交通の維持と活性化に向けた「地域公共交通計画」の策定にも取り組んでまいります。
    次に、学研都市建設では、南田辺西地区において、フードテック産業の集積を目指した基盤整備が進められることから、京都府と連携して、市内産業の活性化につながるよう取組みを進めてまいります。
    次に、上下水道では、重要なライフラインであることから、「水道事業・下水道事業経営戦略」に基づき、施設の耐震化と長寿命化を進めるとともに、経営基盤の強化に取り組んでまいります。
    次に、産業活性化では、農業において「京田辺玉露」や「京都田辺茄子」、「えびいも」などの特産品のほか、「山城産ヒノヒカリ」の消費拡大と生産者への支援に取り組むとともに、地域での話し合いによって、将来の担い手や農地のあり方を描く「地域計画」の作成に積極的に関わることで、農地の保全と利用の最適化に取り組んでまいります。
    商工業では、ものづくりに関わる市内事業所で働き手の確保が課題となっていることから、「シゴトミライプロジェクト」として市内事業所を巡るバスツアーを開催し、事業所の認知度を高めるとともに、技術力や専門性などをアピールできる場を創出することで、人材確保を支援してまいります。
    観光では、NHK大河ドラマの放映を契機に、観光協会が実施する「徳川家康 伊賀越えゆかりの地活性化事業」を支援し、観光客を呼び込むことで、交流人口の拡大などによる地域活性化に取り組んでまいります。
    以上が、「第4次総合計画」の基本方向に沿った主要施策になりますが、何よりも、こうしたまちづくりを強力に、確実に進めるためには、推進役となる市役所の機能を向上させるとともに、市民の皆様にも大いに市政に参画いただき、関係機関とも連携を深める必要があります。
    このことから、楽しみながらまちづくりに取り組む組織と人材を育成するために、Web研修システムを導入し、職員が時間や場所にとらわれることなく、自己研鑽できる環境を整備するなど、職員の資質向上と意識改革に取り組んでまいります。
    また、市民との対話を基本にまちづくりを進めるため「市民みらいミーティング」の充実を図るほか、市民に市役所とのつながりを深めていただき、積極的にまちづくりに参画できる環境を構築するため、南部まちづくりセンター・ミライロに設置した市民活動などの相談窓口を活用するとともに、北部・中部住民センターにWi-Fi環境などを整備し、市民活動の拠点として充実を図ってまいります。
    さらには、大学との連携によって、地域課題の解決や地域資源の掘り起こしに取り組むほか、都市間の交流を深めることで、愛着を持って本市を訪れる関係人口の拡大にも取り組んでまいります。
    そのほか、「DX推進計画」に基づき、市役所における申請手続のオンライン化やマイナンバーカードの活用を検討するほか、24時間、365日、問い合わせに対応できるようAIチャットボットを導入するなど、デジタル化を推進することで、市民サービスの利便性向上に取り組んでまいります。

    むすびに

    以上、今後の市政運営にあたって、まちづくりの基本姿勢と視点、基本方向と主要施策について所信を申し述べました。
    コロナ禍による影響やロシア・ウクライナ問題によって、暮らしや経済に厳しさが増すなか、この難局を市民の皆様とともに乗り越え、未来に向けて京田辺を持続的に発展させるためには、一人ひとりが、いきいきと活躍する地域社会を構築しなければなりません。
    そのため、つながりに重点を置いたまちづくりにより「誰ひとり取り残されることなく、人の絆によって温もりを感じながら暮らせる」、デジタル化の推進により「効率的な行政運営のもと、誰もが便利で安全に暮らせる」、こんな京田辺の新たなステージに向け、職員と一丸となり、創意と工夫を凝らしながら取組みを進めてまいります。
    そして、何よりも、未来の京田辺を支える子どもたちが、笑顔を絶やさず、夢と希望を抱き、まちに愛着と誇りを持って、元気いっぱいに暮らせるまちを実現してまいります。
    このことが、私の政策理念「みんなが住み続けたいと思えるまち」と、「緑豊かで健康な文化田園都市」という本市の都市像の実現につながるものと考えます。
    市議会をはじめ、行政委員や関係諸団体、市民の皆様におかれましては、改めて、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、令和5年度の施政方針といたします。
                      

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