HIV/エイズ基礎知識(2) HIVはどのようにして感染するの?
- [2016年11月16日]
- ID:10046
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HIV感染のしくみ
HIVは感染者の血液、精液、膣分泌液、母乳などに多く存在します。
感染した体液が相手の粘膜(主に口の中、尿道、腸管、膣など)や血管に達する傷のある皮膚に接触することでHIVの感染は起きます。
傷のない皮膚からは感染することはまずありませんし、汗、唾液、涙、尿、便などの体液には感染を引き起こすだけのウイルス量はありません。
HIVの感染力は低いということからも、性行為以外の一般的な社会生活の中でうつることはまずありません。
☆以下の行為ではHIVは移りません!
- 体に触れる、握手する
- 洋式トイレを共有する
- 咳、くしゃみ、汗、涙に触れる
- 同じ職場や学校で生活する
- お風呂やシャワーを使う、プールで泳ぐ
- 食器やお箸を共有する、缶ジュースを回し飲みする
感染経路と経路別の予防方法について
HIV/エイズの主な感染経路は以下のように3つあります。
1. 性行為による感染
日本において最も多い感染経路です。
HIVは性行為の相手の性器や肛門、口や腸管などの粘膜や傷口を通ってうつりますので、あらゆる性行為により感染の可能性があります。
特に腸管粘膜は細胞の構造から他の粘膜よりも傷つきやすいため、HIVが侵入しやすく非常に感染のリスクが高くなります。
性行為における正しいコンドームの使用はHIV/エイズ予防だけでなくあらゆる性感染症の予防に有効な手段です。
2. 血液を介した感染
HIVが存在する血液の輸血や、覚せい剤などの依存性薬物の”回し打ち”による注射器の共用などによって感染します。
医療現場では針刺し事故によって感染者の血液が血管中に侵入することからも感染します。
献血された血液については、輸血される方の安全のためにさまざまなチェックを行います。
しかしHIV感染初期の人が献血された場合、現在の技術水準でも血液中にHIVがあるかどうかのチェックを完全にはすることが出来ず、HIVの感染を見逃してしまいHIVに感染した血液が誰かに輸血されてしまう可能性があります。
献血をされた方が万が一HIVに感染していることがわかったとしても、本人にその旨が通知されることはありません。
ですので、HIV検査目的での献血は絶対にやめましょう!
3. 母親から赤ちゃんへの感染
母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。母乳による感染の例もあります。
日本では、妊娠初期にHIV検査を行い感染診断をする、妊娠中に抗HIV療法を行う、陣痛発来前の選択的帝王切開の実施、
生まれた赤ちゃんにHIVを予防するお薬を飲ませるなど適切な感染予防対策を行うことで、赤ちゃんへの感染を0.5%までに抑えることができます。