『個性キラリ☆自分流』第45回 あおぞら惣菜代表 村口美子 さん 「食を通じて子育て支援」
- [2022年6月30日]
- ID:18113
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

村口 美子 さん(あおぞら惣菜 代表) 「食を通じて子育て支援」
むらぐち よしこ
村 口 美 子 さん
あおぞら惣菜 代表

ご趣味は
お風呂と温泉が好きです。疲れた時は朝でもお風呂に入ってリラックスしています。夫の実家が大分で、帰った時には必ず温泉に行きます。

事業内容とこれまでの経緯は
子ども食堂と学習支援などを併設した惣菜屋をしています。以前から子ども食堂に興味があって、二人目の子どもを産んでから、やりたいという思いが高まりました。どうやったら安定的に提供できるか考えた時に、惣菜屋をすれば作り手も確保できるし、収益が上がればそちらに資金を回して継続的にできると考えました。病院などの管理栄養士をずっとやっていて、育休が明けたら復職して勤務と並行してやることも考えましたが、会社は辞めて事業に専念することにしました。
事業を始めたのは去年の10月です。お店をしたことがないので、今のスタッフやその方を紹介してくれたママさん、たくさんの方にご協力いただきました。困ったことに行き当たるたびに誰かに聞いて、その都度、色々な方に助けていただきました。リフォームの資金についても「何とかならないかな」と話していたら、商工会に入ってみたらと言われて、そこで申請のしかたを教えてもらい、助成を受けることができました。その商工会の担当の方が応募を勧めてくださって、京都女性起業家賞の京都府知事賞(子育て関連事業賞)を受賞しました。色々な方が色々なアドバイスをくださって、今につながっています。本当にありがたいです。

事業への思いは
もっと人が楽に過ごせるようにならないかということを、いつも考えています。やはり共働きというのはかなりしんどくて、制度が少しずつよくなってはいても、時代のスピードが速く、追いついていないと感じます。制度を作るのに何年もかかって、その間に子どもは大きくなります。今ほしいサービスがもっと提供できないかということは考えます。
まずは、週に1回でも食事を作らなくてよくなり、親の気持ちが少し楽になるというような、現実的なフォローができればと思います。この夏から学童保育へのお弁当の配達を始めます。共働きの方が夏休みの期間だけお弁当を作らなければならないという苦痛を、少しでも取り除いていければと思います。子どもたちをフォローしても、親が大変だとやはり子どもに手が回らないですし、親のフォローも大事だと考えています。

これまでで苦労されたことは
オープンの時がいちばん苦労しました。やはり生み出す時はしんどいです。精神的なプレッシャーもあるし、切込み、献立、仕込み、買出しと、初めは全部一人でやらなければなりませんでした。手伝ってくださる方は普通の主婦なのでそういうことも慣れていないし、時間の制約もあります。忙しすぎて、プレオープンの2日目で閉店しそうな気持ちになりました。今はスタッフが注文したり献立を立てたり、分担をしてくれています。スタッフの数も当初から少し増えました。
まだ子ども食堂の運営に回せるだけの利益は出ていませんが、最初は無理せず、助成金やクラウドファンディングをもらいながら実施していこうと思っています。利益が出てからとも考えましたが、それを待っていたらいつになるかわからないので、もう始めてしまってある程度形をつくっていかないと、ずっと始められないと思いました。「小さく生んで大きく育てる」という方針でやっています。

工夫されていることは
子どもにも食べさせられるような安心な食べ物を提供することを基本に考えながらやっています。自分がアレルギー体質なので、調味料も工夫しています。また、地域の商店さんと協力しながらやっていきたいと考えていて、「地域密着」は意識しています。
最近、常連のお客さんができてきて、とても嬉しく思っています。飽きずに来ていただけるというのは、スタッフの頑張りの賜物です。日替わりのメニューで飽きないように工夫しています。

身近な方の反応は
急に店を始めることになりましたが、夫は何も言わず、「ああ、そう」という感じでした。私が言い出したら止まらないというのをわかっているのだと思います。
父は自営業をやっていたので「やってみたら」と言ってくれました。母はもう亡くなっているのですが、重度障害の兄が高校を卒業してから通える場所を作った人で、専業主婦だった母がわからないなりに色々やって施設を作ったので、私自身もできないことはないのかなという感覚でした。

ご家庭との両立は
忙しい時は、子どもには申し訳ないなと思います。元々はもっとゆったりした生活を送りたいという気持ちがありました。でも何かを始める時はどうしても忙しくなりますし、今はプライベートと仕事の区別がない状態ですが、軌道に乗れば落ち着いてくると思っています。この場所に来ることを子どもたちも楽しみにしているので、それはよかったです。
夫は会社員ですが、家にいる時は率先して家事や育児をしてくれて、応援してくれていると感じます。

今後の展開は
1階の惣菜屋は、お昼に加えて夕食の販売も始めました。多分、夕食のほうが需要があるのではないでしょうか。忙しい方や食事を作るのが難しい方々に買ってもらって、バランスのよい食事を提供したいと思っています。あとは、夏に学童保育への配達ができるように動いています。
2階のフリースペースは、子ども食堂を始めたばかりですが、回数を増やしてどんどんバージョンアップしていきたいです。学習支援も、大学生の力を借りて試行錯誤しながら回数を増やしていきたいです。子どもたちがここで料理や防犯などの生活の知恵も学べるように、普通の学習だけではなく色々な角度で支援ができたらと思っています。一人ではできないので、みなさんがつないでくださる縁に支えられています。

ご自身の目標は
最初から完璧というのは無理なので、わからないなりにやっていくしか道はありません。思い描く完成形は特になくて、やっていくうちに見えてくるのかなと思っています。どんな需要があるのかは、やってみて、利用者さんの声を聞いて改善していくほうが合わせていけます。自分の理想も大事ですが、その方たちの需要を実現していきたいです。

インタビューを通じて・・・
利用者からニーズを聞き取って、できる限り実現させていきたいという村口さん。今後もたくさんの方の協力を得ながら、地域のみなさんを支援する取り組みを進めていかれることでしょう。
ご協力ありがとうございました。
お問い合わせ
京田辺市役所市民部人権啓発推進課
電話: (人権啓発)0774-64-1336、0774-62-4343(男女共同参画)0774-64-1336
ファックス: 0774-64-1305
電話番号のかけ間違いにご注意ください!