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あしあと

    『個性キラリ☆自分流』第44回 パティスリーメルキュール オーナーパティシエ 大池 優作 さん 「今、最優先したいことを大切に」

    • [2022年3月31日]
    • ID:17322

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    大池 優作 さん(パティスリーメルキュール オーナーパティシエ) 「今、最優先したいことを大切に」

    大池さん写真


    おおいけ ゆうさく
    大 池  優 作 さん

    パティスリーメルキュール オーナーパティシエ

    ご趣味は

     子どもの頃からお菓子づくりが趣味でした。今は趣味でなく仕事ですが、新作のお菓子を考えるのが好きです。この材料とこの材料を組み合わせてみたいなど、作りたいものをどんどん思いつくので、全部作るのは無理なくらいです。

    パティシエになったきっかけとこれまでの経緯は

     子どもの頃に母が家でチーズケーキやクッキーを作ってくれて、こんなのが作れるんだと思ったのがきっかけです。こづかいで材料を買って、自分でも作り始めました。ケーキ屋になると決めたのは小学2年生の時で、作文に書いたものが残っています。

     高校卒業後に製菓の専門学校に進んだ後、ケーキ店でアルバイトをしながら栄養士の専門学校を卒業しました。高校2年生の時には人生設計を立てていて、28歳で店を出すと決めていたので、23歳頃までにはシェフになって店を稼働させるやり方を学びたいという希望を持っていました。

     京都の専門学校を卒業した後は、いったん地元福岡に戻り就職しました。最初に入った店は半年で社員になれるという話でしたがなかなかなることができなくて、1年半ほどで辞めました。次に入った店ではたまたまチャンスが巡ってきて、22歳の時にシェフになることができました。そこで材料確保から商品開発など、開店に必要なことを学ばせていただきました。

     京田辺へ来たのは店を出す時です。また京都で働くことになり、その何年か後に店を持つことを決めて、物件を探しました。その中で気に入ったのがはじめの大住の店で、まったく知らない土地でしたがそこから始めてみようということになりました。今は薪に新しい店を構えています。

    日常の業務内容は

     朝5時頃から仕事を始めます。シュー生地やケーキなどオーブンで焼くものを先に焼いて、それからスポンジにクリームをサンドするなどの作業をして、その日に出すケーキをショーケースに準備していきます。

     11時に開店した後は、接客をしながら合間を見て焼菓子を焼いたり、ソースを作ったり、簡単な仕込みなどの作業をします。夕方5時に閉店したら、片付けをして帰ります。パティシエは閉店後に仕込みをするなど一般的にもっと長時間労働ですので、同業の方が聞いたら驚かれると思います。

    労働時間に対する考え方は

     19歳の時にアルバイトをしていたケーキ店では、専門学校が終わって夕方6時から夜中の2時まで8時間くらい働いていて、卒業後に入った別の店では1日16時間労働で休みは週1日、休みの日はずっと寝ていないと体がもたないというような状態でした。その頃から、むだをなくせばもっと労働時間を短くできるんじゃないかと思っていました。

     次に入った店ではシェフを任されることになり、そこで落ち込んでいた売り上げを回復することに成功しました。その経験の中で、長時間働くことはそれほど意味のないことで、効率よく店を回していくほうがパフォーマンスも上がると感じ、なるべくコンパクトに集中するところは集中して働いて、労働時間を短くすることを目指しました。

     今は自分の店でも、やることをやれば帰ってよいという考えでやっています。定休日もはじめは月6日くらいでしたが、子どもが生まれて、こんな体制では子育てできないということになって、休みと営業時間の体制をどんどん変えていきました。

    家事や育児への関わり方は

     家事や育児は、何をどちらがやるというように夫婦間で分担を決めずに、二人でやっています。妻もパティシエで、店では接客とギフトの担当をしています。今は妻が出産直後で入院していて、8歳と5歳の子を私一人で見ています。普段もやっているので、妻は安心して任せてくれています。朝ごはんを作り、小学生の子を学校に送り出し、次に保育園の子を起こして食べさせて送って行き、戻ってきて仕事をします。仕事の合間に掃除もします。小学生の子が帰ってきたら宿題をさせ、閉店後に保育園の子を迎えに行って、ごはんを作ってお風呂に入れて、という感じです。

     自営の苦労はもちろんありますが、時間の組み立てが自由にできるのはよいところです。自分の体調や店の忙しさに応じて仕事量を調整し、今日やらなくてはいけないことと、やらなくてもよいことの線引きをしっかりとして、必ず夕方6時までには仕事を終え、子どもたちとの時間を作るようにしています。

     妻一人で家事・育児をこなすのはかなり大変なので、夫の参加は不可欠です。子育ては本当に思いどおりに行かないことだらけで、仕事とはまた違う大変さがあります。そこをもっと男性も理解できるとよいと思います。それに、一緒に遊んだりお風呂に入ったりできるのも小学生のうちだけでしょうから、その時を楽しまないともったいないです。

    これまででいちばん苦労されたことは

     開業1、2年目はなかなかお客様が来てくれなくて、夜中にちらし配りをしていました。店の場所が奥まった所で目立たなかったことと、当初作っていたフランス風のおしゃれなケーキがあまり売れなくて、これではやっていけないと悩んだ末に、方向を転換しました。商品構成や包装を子ども向けのかわいらしいものにしてからは流れが変わり、予約が入るようになっていきました。

    お店を出してよかったと思う点は

     自分の店以外でこの仕事をしていたら、時間がとれなくて家事も子育てもできなかったと思います。それだと2人目、3人目の子どもはできなかったかもしれません。店を出したから、子どもたちに出会えたと思っています。それがいちばんよかった点です。

    日頃心がけていることは

     睡眠時間をしっかり確保して、自分自身のパフォーマンスが低下しないよう気をつけています。私は子育てにかかわりたいので無理をしません。もっと遅い時間まで店を開けてほしいというお声もいただくのですが、子どもが大きくなって6時まで部活動をするようになれば6時まで営業時間を延ばすというように、成長に応じて変動させていけばよいと考えています。

    今後の目標は

     次の世代のために、飲食で何か京田辺の発展につながるようなことができたらと思っています。ゆくゆくは京田辺のお土産産業を盛り上げるような事業を始めたいです。他にもやりたいことはたくさんありますが、今は子育てが最優先です。

    インタビューを通じて・・・

     仕事と生活のちょうどよいバランスは人によって異なり、同じ人でもその時々によって変化していくものです。大池さんのように、今優先したいことを明確にすることは、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を実現する上でとても重要なことだと感じました。


     ご協力ありがとうございました。

    お問い合わせ

    京田辺市役所市民部人権啓発推進課

    電話: (人権啓発)0774-64-1336、0774-62-4343(男女共同参画)0774-64-1336

    ファックス: 0774-64-1305

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