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あしあと

    『個性キラリ☆自分流』第23回~公認会計士として活躍する女性~経営ステーション京都 公認会計士 小長谷敦子さん「失敗を恐れずチャレンジ」

    • [2016年12月1日]
    • ID:10223

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    小長谷敦子さん(経営ステーション京都 公認会計士)「失敗を恐れずチャレンジ」

    こばせ あつこ
    小長谷 敦子 さん
    株式会社経営ステーション京都
    公認会計士

    お仕事の内容は

     監査業務、税務業務、コンサルティング業務です。

     主に学校法人や社会福祉法人の監査を任されているため、学校等が休みになる土曜日・日曜日に業務を行うことが多いです。企業の税務や経営会議のお手伝い(コンサルティング)に当たるため自分の事務所よりも各企業へ出向いて仕事をすることの方が多いです。さまざまな企業との関わりの中で、企業で活躍する女性が増えてきていることを実感する瞬間は嬉しいものです。企業の経営会議の出席のため東京や各地方への出張も多く、毎日定時で働ける仕事ではありませんが、やりがいを感じています。

     公認会計士は一生の資格ですが、資格を維持するには合格後も毎年勉強を続けなければいけません。税法・監査・その他法律は毎年変わっていくものだからです。公認会計士はそれら更新されていく法律について、毎年40単位分受講する必要があります。また、毎月の勉強会でさまざまな事例を勉強しています。個人開業に比べ大勢が所属する事務所の利点は、情報量が多いところです。一人一人が経験と専門知識を備え、問題に対して皆で情報共有し検討するという環境はとても働きやすく、刺激になります。

     公認会計士はまだまだ女性の少ない仕事ですが、地道にコツコツ何かを積み上げることが得意な人は、これからどんどん挑戦していってほしいです。

    公認会計士を目指したきっかけは

     大学在学中は公認会計士になろうとは考えてもいませんでした。一浪して早稲田大学に入学し、心理学を専攻しました。心理学は文系学部内でも実験によるデータを扱うので、その頃から数字に苦手意識は持っていませんでした。

     就職活動を開始しましたが、当時、浪人経験のある女性を採用する銀行はなく、ある百貨店に絞って就職活動をすることにしました。当時の百貨店業界の中でも、従業員用の店舗内保育所や育児休業制度をいち早く充実させていた百貨店です。

     子どもが生まれてからも働き続ける自分像を持っているからこそ就職した百貨店でしたが、入社してすぐ女性の先輩から「ずっとここで働くつもり?」と聞かれ驚きました。「ここでずっと働くことなんてできない」と言ったその先輩は、公認会計士の資格を取るために資格学校に通っていることを教えてくれました。しかし、入社したてでやる気に満ちていた自分は、この時も先輩の言葉を気に留めることはありませんでした。

     そんな私が自分から公認会計士について考えるようになったきっかけは、子どもが生まれたことでした。育児休業を取得することはできましたが、土日休みのない職場に復帰することに不安を感じていました。夫も同じ百貨店の社員だったため、私の復職後は、土日に子どもとの時間を取ることはますます難しくなります。国家資格である公認会計士になれば、子どもとの時間が取りやすくなり、また長い間働き続けられると考えたのです。しかし何よりも、赤ちゃんと二人きりの生活の中で感じていた「社会から取り残されてしまった」ような焦りに突き動かされ、一念発起し資格学校に申し込みました。

     当時は規則的で時間を作りやすいと考えていたこの仕事ですが、働きだしてからは、各企業に合わせスケジュールを組むため、むしろ就労時間が不規則になることの方が多いと分かりました。しかし定年を気にせず働けるという点は、一生の資格の強みです。70歳を過ぎても仕事を生きがいにしている同業者がいるのは心強いです。私もあと10年は働き続けたいと思っています。

     公認会計士として働く女性の割合は少数ですが、近年は増加傾向にあるようです。公認会計士はひとつひとつの数字を確かめていく地道な仕事なので、コツコツと成果を積み上げたい人には向いていると思います。

    家族の反応は 

     育休期間中、夫にも相談せず資格学校に申し込んだので、当初は強く反対されました。3日間は口もきいてくれず、今後の子育てのために勤務時間に融通の利く職業の方が良いという点を何度も説明しました。納得を得るまで時間はかかりましたが、徐々に応援してくれるようになりました。実家の母は勉強で手が回らない時期に夕飯のおかずを差し入れてくれるなど、当時から常に私を応援してくれる存在でした。家事や育児などのサポートを通じて勉強できる環境づくりに協力してくれた家族に感謝しています。

     受験勉強中も働き出してからも、育児との両立は常に課題だったと思います。外で働く自分の姿を子どもがどう思っていたのかずっと不安でしたが、成人した子どもが「結婚相手は働いている女性がいい」と言ってくれ、自分が選んだ道は間違っていなかったと思えて嬉しかったです。

    心掛けていることは

     人の縁を大切にすることです。

     受験や就職活動、転職などさまざまな転機がありましたが、そのたび周囲の助けがあったからこそここまで来ることができました。

     公認会計士は景気が悪くなった2、3年後に就職氷河期が来ます。3度目の受験でやっと合格できたものの、私が就職活動を始めた頃には、バブルがはじけたことを受け、どこの監査法人も採用枠がぐっと減らされてしまっていました。監査法人に入れず就職先を探していたところ、受験仲間から紹介された税理士事務所で税理士として働くことになりました。公認会計士試験に合格すると税理士の資格も与えられるとはいえ、税理士の業務内容は会計士のそれとはやはりちがいます。最初は新しく覚えることばかりで大変でした。

     その後税理士事務所の先生から公認会計士事務所を紹介され、会計士として働き出した矢先、会計士事務所の所長が急逝され、事務所が閉鎖されてしまいました。こうした経緯からやむを得ず独立しなくてはならなくなり、自宅を事務所として、税理士事務所を構えることとなりました。

     経営ステーション京都で働く公認会計士となって長い現在でも、この時の個人事務所時代から担当させていただいている方々がいます。

     ある時は子どもと参加した茶摘み体験から、またある時は参加した研修での出会いから、人と仕事の輪が広がっていきました。今の自分があるのは、そんな周囲の方々のお陰だと感謝しています。

    目標を持つ女性に向けアドバイスを

     失敗を恐れないでほしいです。世の中1回で達成出来ることの方が少ないと思います。なんでも5回は挑戦してみてください。場数を踏むことが目標到達への一歩になります。

     それと、100%にこだわらないことです。特に家事についてですが、子どもが生まれると、自分の時間を持つことや、完璧な母でいられないことに罪悪感を抱きがちです。少しくらいの壁の汚れは大目に見て、もっと 周囲に頼っていいのだということを知ってほしいです。

     一人で悩んでいては挑戦の幅も狭まります。外部からのサポートを受けられる機会があれば、積極的に利用しましょう。外のコミュニティに参加することにはそういった意味もあります。

    インタビューを通じて・・・

     「踊り場のある階段のように、立ち止まって今の自分を見つめながら、少しずつ前に進みたい」という小長谷さん。ひたむきに努力する姿勢が、周囲を動かし続けてきたのではないでしょうか。

    お問い合わせ

    京田辺市役所市民部人権啓発推進課

    電話: (人権啓発)0774-64-1336、0774-62-4343(男女共同参画)0774-64-1336

    ファックス: 0774-64-1305

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