○京田辺市職員倫理条例

平成19年3月27日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、職員が市民全体の奉仕者であって、その職務は市民から負託された公務であることにかんがみ、公平公正な行政の遂行に努めるため、法令遵守はもとより、利害関係者等の対応に係る職員の倫理の保持に資するため、必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって市政に対する市民の信頼を確保することを目的とする。

(定義等)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する職員及び同条第3項第3号に規定する特別職に属する職員をいう。

(3) 任命権者 法第6条に規定する任命権者をいう。

(4) 事業者等 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。

2 この条例の規定の適用については、事業者等の利益のためにする行為を行う場合における役員、従業員、代理人その他の者は、前項第4号の事業者等とみなす。

(利害関係者)

第3条 この条例において職員の職務に利害関係を有するもの(以下「利害関係者」という。)は、職員が職務として携わる次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

(1) 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号及び京田辺市行政手続条例(平成8年京田辺市条例第17号。以下「手続条例」という。)第2条第4号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(前条第1項第4号の規定により事業者等とみなされる者を除く。以下「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

(2) 補助金等(市長が交付する補助金、利子補給金その他名称のいかんを問わず、相当の反対給付を受けない給付金をいう。以下同じ。)を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

(3) 立入検査、監査又は監察(法令(手続条例第2条第2号に規定する法令をいう。)の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人

(4) 不利益処分(行政手続法第2条第4号及び手続条例第2条第5号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名あて人となるべき事業者等又は特定個人

(5) 行政指導(行政手続法第2条第6号及び手続条例第2条第7号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人

(6) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項に規定する契約に関する事務 当該契約を締結している事業者等又は特定個人、当該契約の申込みをしている事業者等又は特定個人及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

2 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であったものが、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であったものは、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。

3 他の職員の利害関係者が、職員にその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者であるものとみなす。

(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)

第4条 職員は、公務員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚するとともに職務に係る倫理の保持を図るため、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 職員は、市民全体の奉仕者であることを自覚し、職務の執行に当たっては市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、あらゆるものからの強要等の不当な要求に一切応じることなく常に公正な職務の執行を図るとともに、公共の利益の増進を目指して職務を遂行しなければならないこと。

(2) 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織の私的な利益のために用いてはならないこと。

(3) 職員は、法令により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる利害関係者からの贈与等を受けること等、市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならないこと。

(任命権者の責務)

第5条 任命権者は、職員の公正な職務の執行及び倫理の保持に資するため、研修の実施その他必要な措置を講じなければならない。

(管理職員の責務)

第6条 管理職員は、その職責の重要性を自覚し、率先して模範を示し、服務規律の確保を図るとともに、管理又は監督の対象となる職員に対し、公務員としての倫理の保持のために必要な指導、助言等をしなければならない。

(市民及び事業者等の責務)

第7条 市民及び事業者等は、常に市政の運営に関心を払い、公正かつ適正な手続による行政運営の確保に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。

2 何人も、職員に対し公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為を求め、又は社会常識を逸脱した手段により要求の実現を図る行為をしてはならない。

3 前項に違反する行為があったときは、市は法令の規定に基づき告発等の措置を講じるものとする。

(利害関係者との接触に当たっての禁止行為)

第8条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。

(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花(香典又は供花にあっては、社会通念上儀礼の範囲を超えるものに限る。)その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。

(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受け、又は利害関係者に債務の弁済をさせること。

(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品若しくは不動産の貸付け又は役務の提供を受けること。

(4) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項に規定する店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

(5) 利害関係者から供応接待を受けること。

(6) 利害関係者と共に会食をすること。

(7) 利害関係者と共に遊技又は旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。

(8) 利害関係者に働きかけ、職員にではなく第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。

2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。

(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。

(2) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用し、又は自動車を利用すること(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものであって、当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)

(3) 職務として出席した会議その他の会合において、その会議等の性質上やむを得ず利害関係者から簡素な飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に簡素な飲食をすること。

3 職員は、職務として出席した会議その他打合せのための会合の際において、利害関係者と共に自己の費用を負担して飲食する場合には、その属する所属の長(以下「所属長」という。)を経由して第15条第1項に規定する倫理監督者の許可を受けなければならない。この場合において、倫理監督者は、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認めた場合に限り許可するものとする。

4 前項の規定は、倫理監督者又は第16条第2項に規定する総括倫理監督者である職員が職務として出席した会議その他打合せのための会合について準用する。この場合において、前項中「職員」とあるのは「倫理監督者又は総括倫理監督者である職員」と、「その属する所属の長(以下「所属長」という。)を経由して第15条第1項に規定する倫理監督者」とあるのは「その属する総括倫理監督者又は第2条第1項第3号に規定する任命権者」と読み替えるものとする。

5 第1項の規定の適用については、職員が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。

(禁止行為の例外)

第9条 職員は、私的な関係(職員としての身分にかかわらない関係をいう。)があるものであって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等を考慮し、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為を行うことができる。

(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)

第10条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、そのものから供応接待を繰り返し受ける等社会通念上の社交の程度の範囲を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。

2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にそのものの負担として支払わせてはならない。

(講演等に関する規制)

第11条 職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(法第38条第1項の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は、所属長を経由して倫理監督者の承認を得なければならない。

2 前項の規定は、倫理監督者又は総括倫理監督者である職員が報酬を受けて講演等をしようとする場合について準用する。この場合において、前項中「職員」とあるのは「倫理監督者又は総括倫理監督者である職員」と、「所属長を経由して倫理監督者」とあるのは「その属する総括倫理監督者又は任命権者」と読み替えるものとする。

3 職員は、第1項の報酬のうち、規則で定めるものの支払を受けたとき(支払を受けた報酬の価額が規則に定める額を超える場合に限る。)は、規則で定める期間内に、所属長、倫理監督者及び総括倫理監督者を経由して任命権者に報告しなければならない。

(職員の贈与等報告義務)

第12条 職員は、利害関係者から、金銭、物品その他の財産上の利益の提供又は供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき(当該贈与等により受けた利益の価額が規則に定める額を超える場合に限る。)は、規則で定める期間内に、所属長、倫理監督者及び総括倫理監督者を経由して任命権者に報告しなければならない。

(官公庁等の職員との接触に当たっての禁止事項)

第13条 職員は、国、他の地方公共団体その他の行政機関の職員と接触する場合においては、市民の疑惑又は不信を招く行為をしてはならない。

(所属長)

第14条 所属長は、倫理の保持及び綱紀粛正の推進に関し、所属職員に対し、常に必要な助言及び指導を行わなければならない。

2 所属長は、この条例に規定する利害関係者等の対応等について相談を受けたときは、相談に応じるとともに、必要に応じ、倫理監督者に報告しなければならない。

3 所属長は、職員が第8条第1項第10条第12条又は第13条の規定に違反する行為があったと疑うに足りる理由がある場合においては、直ちに倫理監督者に報告しなければならない。

(倫理監督者)

第15条 倫理監督者は、京田辺市職員の管理職手当の支給に関する規則(昭和47年京田辺市規則第5号)別表第2の区分A及び区分Bの職にある者(技監、消防長、部付、危機管理監、副部長、参事及び消防署長を除く。)をもって充てる。

2 倫理監督者の職務は、次のとおりとする。

(1) 倫理の保持及び綱紀粛正の推進に関し、所属長に対し必要な助言及び指導を行うとともに、所属長と連携して職員の相談に応じること。

(2) 所属長を経由した職員からの報告等を把握し、必要に応じ、総括倫理監督者に報告すること。

(総括倫理監督者)

第16条 この条例に基づく倫理の保持を図るため、総括倫理監督者を置く。

2 総括倫理監督者は、人事担当副市長、公営企業管理者、消防長及び教育長をもって充てる。ただし、議会事務部局、農業委員会事務部局、監査委員事務部局、選挙管理委員会事務部局、公平委員会事務部局及び固定資産評価審査委員会事務部局にあっては人事担当副市長をもって充てる。

3 総括倫理監督者の職務は、次のとおりとする。

(1) 倫理の保持及び綱紀粛正の推進に関し、倫理監督者と密接な連携を図るとともに、必要に応じ、倫理監督者に対し助言又は指示を行うこと。

(2) 倫理監督者からの報告を取りまとめ、市長に報告するとともに、必要に応じ、講じるべき措置等について、市長に意見を述べること。

(3) 前号の報告のうち、職員が第8条第1項第10条第12条又は第13条の規定に違反する行為があったと疑うに足りる理由がある場合においては、倫理監督者と連携し直ちに実情調査を行い、その結果を任命権者に報告しなければならない。

4 総括倫理監督者は、職員が第11条第1項の承認を得ずに講演等を行った場合は、任命権者に報告しなければならない。

(違反行為に対する措置)

第17条 任命権者は、前条第3項第3号又は第4項の報告の結果、懲戒処分に付すことが妥当であると思料するときは、京田辺市職員懲戒審議会規程(昭和54年京田辺市訓令甲第10号)により設置する京田辺市職員懲戒審議会(以下「懲戒審議会」という。)に当該職員の処分に係る諮問を行うものとする。

2 懲戒審議会は、別に定める基準により、懲戒処分の量定を判断し答申するものとする。

3 任命権者は、懲戒審議会から処分に係る答申を受けたときは、その内容を精査し、迅速かつ厳正に当該職員に対する処分を行わなければならない。

(公表)

第18条 任命権者は、この条例に違反した職員に対して懲戒処分を行ったときは、その内容を公表するものとする。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(平成19年9月28日条例第21号)

この条例は、平成19年9月30日から施行する。

(平成20年3月28日条例第5号)

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(平成23年12月26日条例第24号)

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(平成29年12月25日条例第24号)

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

京田辺市職員倫理条例

平成19年3月27日 条例第2号

(平成30年4月1日施行)