○京田辺市男女共同参画推進条例
平成22年9月29日
条例第17号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 基本的施策(第9条―第15条)
第3章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限(第16条・第17条)
第4章 京田辺市男女共同参画審議会(第18条)
第5章 雑則(第19条)
附則
私たちのまち京田辺は、緑豊かな美しい自然を守り、育みながら、大都市への高い利便性を兼ね備えたまちとして発展を続けている。
ここに住む私たちの願いは、市民一人ひとりが互いの人権を尊重し、いのちと健康を大切にするとともに、ゆとりとうるおいのある恵まれた環境の下で、男女が家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において対等な立場で、責任を担いながら、希望と生きがいに満ち、満足感のある生活を営むことができるまちを創り、次代に継承していくことである。
こうした思いの中で、私たちはこれまで男女共同参画社会基本法の下、京田辺市男女共同参画計画を策定し、様々な取組を進めてきた。
しかしながら、今日においてもなお、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行が依然として存在しているばかりでなく、仕事と生活とが調和した社会生活を営むことが難しい環境にもあり、男女共同参画社会を実感するに至っていない。
そこで、市はもとより、市民や事業者、市民団体、教育に携わる者が互いに連携し、世代を越えて価値観を共有しながら、男女共同参画社会の形成に向けた取組をより一層総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、事業者、市民団体及び教育に携わる者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべきことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会について、男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) 市民 市内に居住し、勤務し、又は在学する者をいう。
(4) 事業者 市内において事業活動を行っている個人及び法人その他の団体をいう。
(5) 市民団体 市内において自発的な社会活動を行う非営利の団体をいう。
(6) 教育に携わる者 市内において学校教育、社会教育、家庭教育その他の教育に携わる者をいう。
(7) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方の生活環境を害すること及び性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与えることをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進しなければならない。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人としての能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。
(2) 社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に及ぼす影響をできる限り中立的なものとすること。
(3) 男女が、対等な構成員として、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野における方針の立案及び意思決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動と仕事、地域活動その他の社会生活における活動を両立して行うことができるようにすること。
(5) 男女が、互いの性に関する理解を深め、妊娠、出産その他の生涯にわたる性と生殖に関する健康と権利が尊重されること。
(6) 男女共同参画の形成が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、国際的協調の下で行われること。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下「男女共同参画施策」という。)を総合的に策定し、効果的に実施しなければならない。
2 市は、市民、事業者、市民団体、教育に携わる者、国及び他の地方公共団体と連携し、協力して男女共同参画の推進に取り組まなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、男女共同参画についての理解を深め、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、主体的かつ積極的に男女共同参画を推進するよう努めなければならない。
2 市民は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、その事業活動において、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めるとともに、職場における活動と家庭、地域等における活動とを両立できる職場環境を整備するよう努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(市民団体の責務)
第7条 市民団体は、その活動において、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 市民団体は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(教育に携わる者の責務)
第8条 教育に携わる者は、男女共同参画の推進に果たす教育の重要性を認識し、基本理念にのっとり、教育を行うよう努めなければならない。
2 教育に携わる者は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
第2章 基本的施策
(京田辺市男女共同参画計画)
第9条 市長は、男女共同参画施策を総合的かつ計画的に推進するため、京田辺市男女共同参画計画(以下「計画」という。)を策定するものとする。
2 市長は、計画を策定するに当たっては、あらかじめ京田辺市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民、事業者、市民団体及び教育に携わる者の意見を反映させるものとする。
3 市長は、計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。
4 前2項の規定は、計画を変更する場合について準用する。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第10条 市は、あらゆる施策の策定及び実施に当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮するものとする。
2 市は、施策の立案、決定その他の機会において男女間に参画する機会の格差が生じている場合は、積極的改善措置を講ずるものとする。
3 市は、学校教育、社会教育、家庭教育その他の教育において、男女共同参画が推進されるよう支援するものとする。
(啓発活動等)
第11条 市は、市民、事業者、市民団体及び教育に携わる者が、男女共同参画についての理解を深めるため、啓発活動、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。
(調査研究)
第12条 市は、男女共同参画施策を効果的に実施するため、調査研究を行うものとする。
(男女共同参画施策の実施状況の公表)
第13条 市長は、毎年度、男女共同参画施策の実施状況について取りまとめ、これを公表するものとする。
(推進体制)
第14条 市は、男女共同参画施策を推進するために、必要な体制及び施設を整備するものとする。
2 市は、事業者及び市民団体に、それぞれの活動における男女共同参画を推進するため、啓発その他の活動を行う京田辺市男女共同参画推進員(以下「推進員」という。)の設置を要請するものとする。
3 事業者及び市民団体は、前項に規定する推進員を設置したときは、市に報告するものとする。
4 市は、前項の規定による報告があったときは、当該推進員に対し、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(苦情、相談等への対応)
第15条 市は、市が実施する男女共同参画施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について苦情及び意見があったときは、適切に対応するものとする。
2 市は、前項に規定する苦情及び意見の対応に当たって、特に必要があると認めるときは、京田辺市男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
3 市は、性別による権利侵害その他の男女共同参画を阻害する行為に係る相談について、関係機関と協力して適切に対応するため、相談体制の充実その他の必要な措置を講ずるものとする。
第3章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限
(性別による権利侵害の禁止)
第16条 何人も、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメントその他の行為により男女の人権を侵害してはならない。
2 何人も、配偶者その他の親密な関係にある者(過去において親密な関係にあった者を含む。)に対し、身体的、精神的又は経済的な苦痛を与えるような暴力的行為(以下「暴力的行為」という。)を行ってはならない。
(情報に関する留意)
第17条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、男女間における暴力的行為等を助長する表現を行わないよう努めなければならない。
第4章 京田辺市男女共同参画審議会
2 審議会は、前項に規定する調査審議のほか、男女共同参画の推進に関する事項について、市長に意見を述べることができる。
3 審議会は、男女共同参画についての知識及び経験を有する者のうちから市長が委嘱する委員15人以内をもって組織する。
4 男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 雑則
附則
この条例は、平成22年10月1日から施行する。