京田辺市市勢要覧
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色彩豊かな光の中で暮らす人々の喜びを描いたのです。色彩のあるところは喜びに満ちています。田辺町は、心に色彩があふれる美しいまちだと思ったものです。また、私の古里である奈良市と距離が近かったこともあり、文化圏の近さなどの絆も感じていました。祭りを通した人々の往来など、いろいろな想いをめぐらせながら壁画を描かせていただきました。この壁画が未来に残り、さらに多くの方と巡り会えることを願っております。 絵などの文化が育つまちは、人々に生きる喜びを与えます。旧田辺町は今や京田辺市となり、一段とすばらしいまちになっていると感じています。今後ますます心のはずむまちになることを期待しています。私たちは日頃、自分や家族、仕事などを中心に考えがちですが、地域のためになることに目配りができる人々が増えれば、この上ない喜びです。私は、まだ会ったこともない未来の子どもたちとも、絵を通して語り合いたいと思いながら日々制作にいそしんでいます。今を生きている私たちは、市民やまだ見ぬ未来の子どもたちのために、努力しようではありませんか。 旧田辺町の新庁舎で壁画を描いていたのは、昭和60年の暮れから61年の2月のことです。工事中の庁舎に寒風が入る中、私は寒さなど気にもとめず田辺を想う心を壁画の中に塗り込めていました。乾くまでに壁を塗りついで描くアフレスコという画法は、永遠に色彩を保つことができます。瑞饋神輿や大住隼人舞、竹送りなどの伝統文化といった、京田辺市の子育て奈良市出身の洋画家。壁画技法アフレスコの国内第一人者で、旧田辺町の新庁舎(現市庁舎)に壁画「光ふるまち 田辺」を制作する。色彩で表現する喜びに満ちたまち絹谷 幸二京田辺に想うこと文化の力で心はずむまちにアフレスコ画の巨匠Koji KinutaniAttractive city壁画「光ふるまち田辺」(市役所2階市民ロビー)今を生きる人は未来の人のために24

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