京田辺市行政改革実行計画について(令和2年度~令和5年度)
- [2021年5月25日]
- ID:14962
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1.これまでの行政改革の取組みについて
本市においては、行政改革が不断の改革であると位置付け、昭和60年に第1次の「田辺町(京田辺市)行政改革大綱」を策定し、職員給与制度の改革をはじめ事務の簡素化・合理化とともに事務処理の電算化を進めてきました。
また、平成9年の市制施行に向けた対応も含め、平成8年には新たな行財政システム構築に向けた改革の指針として「第2次田辺町(京田辺市)行政改革大綱」を策定し、簡素で効率的な行政の実現を目指し、時代に即応した組織・機構、情報化の推進による行政サービスの向上など行政全般にわたる改革に取り組んできました。
平成17年度には行政改革の指針となる「新京田辺市行政改革大綱」を策定、平成18年度に大綱に基づいた取組みを計画的に進めるための「京田辺市行政改革実行計画」、平成25年度にはこれを引き継ぐ計画として「行政改革実行計画(フォローアップ計画)」を策定し、取組みを進めてきました。
平成28年度には「京田辺市新行政改革プラン」を策定し、実行プログラムの進行管理を行うことにより、令和元年度までの計画期間中に全55項目のうち46項目で一定の成果を得ることができ、「第3次京田辺市総合計画」の目指すまちづくりの推進にあたって大きな役割を果たすことができました。
2.本市を取り巻く状況
(1)社会経済情勢
近年、国内全体の人口減少と少子高齢化の進展、地球規模での環境変化と災害リスクの高まり、情報通信技術(ICT)の進展、地方創生の取組みなど、本市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しています。
(2)本市の状況
本市では、全国的に人口減少が進むなか利便性の高さや子育て支援の充実などにより、今後も10年程度は人口が増加し、令和12年(2030年)には約78,000人になると推計されていますが、その後はゆるやかに減少に向かい少子高齢化が顕在化することとされており、来たるべき財政需要にも対応できる持続可能な行財政運営が必要不可欠です。
本市では、市税収入の伸びにより一般財源が緩やかに増加しているものの、社会保障経費の伸長や人件費の増大などにより、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は平成30年度決算で94.1%となるなど、厳しい財政運営が続いています。
特に、児童福祉関係や障がい福祉関係経費の伸び等を反映して扶助費の増加が顕著となっており、当面はこの傾向が続くことが考えられます。
また、公共事業等の普通建設事業費については、平成28年度から平成30年度の平均事業費が約25億円となっています。今後、可燃ごみ広域処理施設や(仮称)大住こども園の整備等「京田辺市第4次総合計画まちづくりプラン」(以下「まちづくりプラン」という。)に掲げる大型のプロジェクトを着実に推進するためには、普通建設事業費の計画的な実施と財源確保が必要となります。
(3)財政シミュレーション
今回の行政改革実行計画策定にあたって、人口増加等を踏まえ、一定の条件のもとで将来の財政シミュレーション(令和2年度~令和5年度)を作成しました。この結果、令和3年度以降は毎年度赤字が発生し、計画期間合計で約4億8千万円の累積赤字が見込まれる厳しい状況が浮き彫りとなりました。
今後、まちづくりプランにおいて掲げた事業を推進し、多様化する市民ニーズに的確に対応するためには、積極的な財源確保や既存事業の見直しを確実に進める必要があります。
※令和2年度は当初予算ベース、令和3年度以降は普通建設事業費を以下のとおり仮定して推計。
【令和3年度:30億円、令和4年度:35億円、令和5年度:40億円】
3.新たな行政改革の必要性について
(1)国の動向
国では、平成27年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)に基づき、同年8月に「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項」が示され、厳しい財政状況下においても質の高い公共サービスを引き続き効率的・効果的に提供するために業務改革に務めるよう求められました。
その後も「経済財政運営と改革の基本方針2019~「令和」新時代:「Society5.0への挑戦」~」の中で地方行財政改革の基本的な考え方として、地方自治体の業務改革と新技術の徹底活用を通じて、住民視点に立った利便性の高い「次世代型行政サービス」への転換を積極的に推進することとされています。
(2)行政改革の位置づけ
こうした中、本市では新たなまちづくりの指針として「第4次京田辺市総合計画基本構想」(以下「基本構想」という。)が策定されました。めざす都市像「緑豊かで健康な文化田園都市」実現に向けて、さらなる行政サービスの充実や複雑多様化する地域の課題を解決するため、「魅力発信・参画と人のつながりによるまちづくりの推進」と「持続可能な行財政運営の推進」を基本姿勢として、「安全・安心」「緑」「健康」「文化・教育」「田園都市」の5つの基本方向を柱として構成されています。
本市における行政改革に係る取組みは、「基本構想」と、これを具体化した「まちづくりプラン」で掲げた諸施策を着実に推進するために必要不可欠な取組みとして位置づけます。
4.京田辺市行政改革実行計画(令和2年度~令和5年度)について
(1)計画策定の理念
平成17年に策定した「京田辺市行政改革大綱」においては、以下の3点を理念として、総合計画における各施策の実効性確保を図ることとされました。
・市民と行政とのパートナーシップの構築
・より質の高い行政サービスの提供
・効率的な行財政運営
本市を取り巻く社会経済情勢は大きく変遷するなかで、行政改革についても量的な削減のみならず質的な向上も重視した幅広い役割を担ってきました。
「人とのつながり」や「持続可能な行財政運営」が新たな基本構想においても基本姿勢とされていることを鑑み、今後においても上記の理念を行政改革の根幹としたうえで、多様な主体との協働・連携を重視したまちづくり、長期的な財政見通しを踏まえた持続可能な行財政運営等の取り組みを進めることとします。
(2)計画期間
基本構想の計画期間は、令和2年度から令和13年度までの12年間で、まちづくりプランの計画期間は前期、中期、後期のそれぞれ4年間です。
行政改革実行計画(前期)については、まちづくりプラン(前期)と両輪で基本構想の実現に取り組むものであるため、令和2年度から令和5年度までの4年間を計画期間とします。
(3)推進体制
この計画を総合的かつ組織的に推進していくために、行政改革推進本部会議において、毎年度、その進捗状況や成果を把握しながら進行管理を行います。
5.京田辺市行政改革実行計画(令和2年度~令和5年度)の取組み
この実行計画は、計画に掲げる実行プログラムの推進により、以下のとおりの成果を目指します。
1.市民と行政とのパートナーシップの構築
市民参画、多様な主体との連携・協働の仕組みづくりを進めるとともに、その基盤となる広報・広聴や情報提供を積極的に推進、市民に信頼される透明性の高い行政をめざします。
(1)市民参画、多様な主体との協働の推進
まちづくりの推進にあたっては、行政のみならず市民、市民活動団体、さらには大学や企業など多様な主体と協力し、相互に補完する関係を築くことが重要です。協働によるまちづくりの推進のため、活動の中心となる人材の育成、さまざまな分野での連携促進とともに、地域住民が地域の課題解決等へ主体的に取り組む共助による支え合いの基盤強化を図ります。
(2)広報・広聴機能の充実
すべての市民が行政サービスを受ける機会を公平に得ることができ、また行政課題等を共有できるよう、広報紙のほかSNSの活用など多様な手法を用いつつ積極的かつ効果的な広報活動を行います。
(3) 透明性の高い行政の推進
市民が必要とする情報について、個人情報保護に配慮しつつ迅速かつ的確に提供できるよう、オープンデータの推進等を通じて、多様な主体による行政課題解決への取組みを支援します。
2.より質の高い行政サービスの提供
サービスの受け手である市民の視点を持ちながら、情報通信技術(ICT)を活用したサービスの向上を図るとともに、受益と負担の明確化など、公平・公正なサービス提供に努めます。
(1) 市民サービスの向上
市民満足度の高いサービスの提供のためには、常に市民の立場に立ったサービスの提供に努めることが必要です。質の高いサービス実現のため、常に行政に対する市民ニーズを的確に把握して、マイナンバーカードの活用等を含めた窓口の利便性向上に取り組みます。
(2) サービスの公平性確保、受益者負担の見直し
サービスの公平性の確保の観点から、行政としての役割、受益と負担のあり方の見直しを適宜行います。
(3) 次世代型行政サービスへの転換
質の高いサービスを継続して提供できるよう、AIやRPA等のICT技術の導入による業務効率化を実現するとともに、住民視点に立った利便性の高い「次世代型行政サービス」への転換を図ります。
3.効率的な行財政運営
厳しい財政状況の中、自主財源の確保や歳出削減による財政健全化を推進するとともに、他の自治体との連携や民間活力の導入も含めた公共施設マネジメントの推進、事務事業の効率化、職員の適正な定員管理により持続可能で安定的な財政基盤の確立を目指します。
(1) 財政の健全化推進
将来に向かって持続可能で安定的な財政基盤を確立するために、財政収支見通しを踏まえた財政の健全化を推進します。歳入確保と歳出削減の徹底、企業誘致による財源確保に取り組むとともに、経営戦略に基づく公営企業経営基盤の強化を図ります。
(2) 公共施設マネジメントと官民連携の推進
社会情勢の変化に的確に対応するためには、施設の更新や新規の整備の際には他の自治体との連携や「公共施設総合管理計画」や「個別施設計画」を踏まえた配置適正化を行うとともに、施設運営におけるPPP/PFIを含めた民間資金やノウハウの積極活用を促進します。また、施設の老朽化に適切に対応するため長寿命化を徹底し、ライフサイクルコスト縮減を図ります。
(3) 事務事業の効率化
限られた資源を効果的・効率的に配分し最大の効果を上げるため、行政評価によるPDCAサイクルを通じた事務事業の精査や見直し、アウトソーシングの推進による民間事業者の優れたノウハウを活用した事務の合理化に取り組みます。
(4) 職員の適正配置と人材育成
権限委譲や制度改正、新たな行政需要に伴う業務量の増加を踏まえ、行政が真に担うべき役割の範囲を見定め、適正な職員数を計画的に配置できるよう適正な定員管理に務めるとともに、働き方改革や人材育成を通じて職員の能力を発揮できる仕組みづくりを推進します。
6.実行プログラム一覧
大区分 | 中区分 | 項目名 | 担当 | |||||
1 市民と行政とのパートナーシップの構築 | 1.市民参画・多様な主体との協働の促進 | 市民参画・協働の推進と大学等との連携 | ||||||
(1) | 市民との協働の推進 | 市民部 | ||||||
(2) | 大学等との連携の推進 | 市民部 | ||||||
(3) | 男女共同参画の推進 | 市民部 | ||||||
共助による地域防災力の向上 | ||||||||
(4) | 自主防災組織の育成指導 | 安心まちづくり室 | ||||||
(5) | 消防団組織強化による地域消防力の向上 | 消防本部 | ||||||
地域住民との協働よるまちづくりの推進 | ||||||||
(6) | 市民等との協働による京田辺玉露のブランド形成 | 経済環境部 | ||||||
(7) | 市民との協働による地球温暖化対策活動の推進 | 経済環境部 | ||||||
(8) | 農業者等との協働による農地等の利用の最適化の推進 | 農業委員会事務局 | ||||||
2.広報広聴機能の充実 | 広報広聴機能の充実 | |||||||
(9) | まちの情報発信機能の充実 | 企画政策部 | ||||||
(10) | 広報やICTの活用・充実等による情報発信力の強化 | 議会事務局 | ||||||
3.透明性信頼性の高い行政の推進 | 透明性信頼性の高い行政の推進 | |||||||
(11) | オープンデータの取組の推進 | 総務部 | ||||||
(12) | 文書管理の適正化推進 | 総務部 | ||||||
2 より質の高い行政サービスの提供 | 1.市民サービスの向上 | 窓口サービスの向上 | ||||||
(13) | マイナンバーカードの取得促進と窓口サービスの向上 | 市民部 | ||||||
子育て支援体制・教育環境の整備 | ||||||||
(14) | 幼児教育・保育の一体的提供体制の構築 | 輝く子ども未来室 | ||||||
(15) | 留守家庭児童会のサービスの向上 | 教育部 | ||||||
(16) | 中学校給食の実施による教育環境の整備 | 教育部 | ||||||
2.サービスの公平性確保、受益者負担の見直し | サービスの公平性の確保と受益者負担の見直し | |||||||
(17) | 各種がん検診の一部負担額の見直しと経費削減 | 健康福祉部 | ||||||
(18) | 田辺地区駐輪場適正化と市内無料駐輪場の適正利用 | 建設部 | ||||||
(19) | 学校体育館照明料の徴収 | 市民部 | ||||||
(20) | 市立文化施設の減免基準等の見直し | 教育部・市民部 | ||||||
㉑ | 田辺中央体育館備品管理の適正化 | 市民部 | ||||||
3.次世代型行政サービスへの転換 | ICTを活用した業務効率化 | |||||||
㉒ | ICTを活用した事務作業の効率化 | 総務部 | ||||||
㉓ | 保育所入所調整におけるAIの活用 | 輝くこども未来室 | ||||||
3 効率的な行財政運営 | 1.財政健全化の推進 | 各会計、公営企業会計の健全化推進 | ||||||
㉔ | 統一基準による財務書類の行財政運営への活用 | 総務部 | ||||||
㉕ | 公営企業経営戦略の策定による経営基盤強化 | 上下水道部 | ||||||
㉖ | 国民健康保険財政の健全化 | 市民部 | ||||||
債権管理の適正化 | ||||||||
㉗ | 債権管理の適正化に向けた債権管理条例の策定 | 総務部 | ||||||
㉘ | 生活保護返還金および貸付金等の債権管理の適正化 | 健康福祉部 | ||||||
収納率の向上 | ||||||||
㉙ | 市税等の収納率の向上 | 市民部・輝くこども未来室 | ||||||
㉚ | 市営住宅使用料等の徴収体制強化 | 建設部 | ||||||
財源の確保 | ||||||||
㉛ | ふるさと納税制度を活用した財源確保 | 総務部 | ||||||
㉜ | 課税客体の適正な把握 | 市民部 | ||||||
㉝ | 新たな企業立地に向けた学研地区(南田辺東・西地区)の整備促進 | 企画政策部 | ||||||
㉞ | 田辺中央北地区における土地利用計画の見直しおよび企業誘致 | 企画政策部・経済環境部 | ||||||
㉟ | 基金運用方法の検討 | 出納室 | ||||||
㊱ | 市有財産の有効活用 | 総務部・建設部 | ||||||
歳出の削減 | ||||||||
㊲ | 京都府セキュリティクラウドへの移行によるコスト削減 | 企画政策部 | ||||||
㊳ | 窓口サービスの事務の効率化、経費削減 | 市民部 | ||||||
㊴ | 口座振替の推進および支払通知書廃止によるコスト削減 | 出納室 | ||||||
補助金等の見直し | ||||||||
㊵ | 中小企業支援事業の見直し | 経済環境部 | ||||||
㊶ | 身体障害者更生援助費支給事業の見直し | 健康福祉部 | ||||||
㊷ | 各種医療保健事業に係る助成制度の見直し | 市民部 | ||||||
2.公共施設マネジメントと官民連携の推進 | 公共施設マネジメントの推進 | |||||||
㊸ | 公共施設マネジメントの推進 | 企画政策部 | ||||||
広域化の推進 | ||||||||
㊹ | 可燃ごみ広域処理施設整備による処理コストの削減 | 経済環境部 | ||||||
民間活力の積極活用 | ||||||||
㊺ | 民間活力導入による野外活動センター施設運営の効率化 | 市民部 | ||||||
㊻ | 民間活力の導入による複合型公共施設の整備 | 企画政策部 | ||||||
3 効率的な行財政運営 | 2.公共施設マネジメントと官民連携の推進 | 公共施設等の配置適正化 | ||||||
㊼ | 防災拠点の整備による防災力の向上 | 安心まちづくり室 | ||||||
㊽ | 消防力向上のための消防体制見直し | 消防本部 | ||||||
㊾ | 幼保連携型認定こども園の整備 | 輝くこども未来室 | ||||||
長寿命化によるライフサイクルコスト縮減 | ||||||||
㊿ | 市営住宅長寿命化によるライフサイクルコスト縮減 | 建設部 | ||||||
51 | 生活道路および橋梁長寿命化によるライフサイクルコストの縮減 | 建設部 | ||||||
52 | 公園施設長寿命化によるライフサイクルコスト縮減 | 建設部 | ||||||
53 | 幼稚園・小中学校施設の長寿命化によるライフサイクルコスト縮減 | 教育部・輝くこども未来室 | ||||||
54 | 焼却施設の建て替えに向けた長寿命化対策 | 経済環境部 | ||||||
3.事務事業の効率化 | 事務事業の効率化、適正化 | |||||||
55 | 行政評価制度の見直し(PDCAサイクルの再構築) | 企画政策部 | ||||||
56 | 学校教育予算配分・執行の見直し | 教育部 | ||||||
57 | 行政改革につながる監査等の実施 | 監査委員事務局 | ||||||
アウトソーシングの推進 | ||||||||
58 | アウトソーシングの推進に伴う課税事務の合理化 | 市民部 | ||||||
59 | 戸籍等各種証明書郵送請求処理業務の外部委託による事務の合理化 | 市民部 | ||||||
60 | 広報業務における事務効率化 | 企画政策部 | ||||||
4.職員の適正配置と人材育成 | 職員の適正配置 | |||||||
61 | 適正な定員管理による職員数の適正化推進 | 総務部 | ||||||
職員の能力を発揮できる仕組みづくり | ||||||||
62 | 働き方改革の推進によるワークライフバランスの実現 | 総務部 | ||||||
63 | 職員の資質向上を図るための人材育成 | 総務部 |
京田辺市行政改革実行計画(令和2年度~令和5年度)